artscapeレビュー
プレビュー:サイト──場所の記憶、場所の力
2013年07月15日号
会期:2013/07/20~2013/10/14
広島市現代美術館[広島県]
──広島、そして世界の様々な場所(サイト)の記憶を表現する。
広島中心部に架かる平和大橋をデザインしたことで知られるイサム・ノグチ(1904-1988)の作品には、平和記念資料館を設計した丹下健三の依頼により手がけられたものの、実現を見ずに終わったという原爆死没者慰霊碑案もある。今展ではこのように、場所(=サイト)の記憶に触発された美術表現に目を向け、場所の携える物語を可視化する作品を紹介する。映像、写真、インスタレーションなど多様な手法で新たな造形へと挑戦する美術──モニュメントとは異なる作品のありかた──の可能性を探求していく。出品作家は、フランシス・アリス、川俣正、木村友紀、桑久保徹、トニコ・レモス・アウアド、ゴードン・マッタ=クラーク、イサム・ノグチ、マイケル・ラコウィッツ、田口行弘、照屋勇賢、西京人(チェン・シャオション+ギムホンソック+小沢剛)。トークイベントやワークショップなどの関連プログラムも、どれも興味深いのでぜひ行きたい。
2013/07/15(月)(酒井千穂)