artscapeレビュー
デザインに関するレビュー/プレビュー
あいちトリエンナーレ2013 公式グッズ・デザインコンペティション 公開プレゼンテーション+公開審査会
ナディアパーク 2階アトリウム[愛知県]
あいちトリエンナーレ公式グッズのコンペの審査を行なう。建築学生のコンペなどではアイデアが評価の対象となり、それが実現されることはまったく前提にならないが、プロダクトのコンペは、モックアップで実物が提示され、商品化が可能かどうかが審査に含まれ、だいぶ違う。議論では、どうしたらコストダウンできるかなども話題になった。結果は地元の伝統産業を生かした名古屋芸術大学のテキスタイル、扇千花研究室が最優秀となる。また名古屋建築グッズを提案した愛知淑徳大の清水研と、「→」グッズの椙山女学園の橋本研が次点に選ばれた。それぞれグッズの実現化に向けて、スタートを切ることになった。
2012/10/14(日)(五十嵐太郎)
日本の70年代 1968-1982
会期:2012/09/15~2012/11/11
埼玉県立近代美術館[埼玉県]
埼玉県立近代美術館の「日本の70年代 1968-1982」展を見る。大阪万博や寺山修司の熱気から、ビックリハウスやこの美術館の誕生まで、横断的に文化を展示したものだ。それゆえ、黒川紀章の向かいが、サディスティック・ミカ・バンド!という部屋もある。なお、美術館の公園に移築された《中銀カプセルタワー》のユニットも同時代の産物だ。
2012/10/12(金)(五十嵐太郎)
material/domain 須藤圭太「ようこそ、注文の多い食器店へ」展
会期:2012/10/02~2012/10/07
Antenna Media[京都府]
須藤は陶芸家だが、器を大量生産したり、自分の世界に固執するようなことはしない。顧客から発注を受け、コミュニケーションを重ねたうえで、求めに応じた器を必要な数だけ提供するのだ。つまり食器のオーダーメイドである。本展ではそのようにしてつくられた器と、作品ごとの仕様書(病院のカルテのようなもの)、器の木型、形状サンプル、色見本、それら一式を収納するケースが展示された。一昔前までは、このような仕事が許されるのは一部の巨匠だけだったに違いない。しかし現代では、通信技術の発達により口コミの広がりやスピードがかつてない程進化している。質の高い仕事を地道に続ければ広範囲に噂が広がり、年齢・居住地・所属の如何を問わずプロの陶芸家として成立する可能性が生まれているのだ。彼の活動は、これまでの陶芸家像や職人像を覆す可能性を秘めている。今後の展開に注目したい。
2012/10/05(火)(小吹隆文)
田中一光とデザインの前後左右
会期:2012/09/21~2013/01/20
21_21 DESIGN SIGHT[東京都]
21_21はいつもあっさりとした展示が多いが、今回の「田中一光とデザインの前後左右」展は豊富な資料を揃えた濃密な内容だった。彼が具体美術と吉原治良の影響を受けていたことを知る。また、とくにブックデザインの紹介が楽しい。かたちがなくなる情報化時代を迎えたことで、改めて文字と写真が本というモノとしてパッケージ化されていたことを強く再認識した。会場構成とデザインは弟子の廣村正彰が担当している。
2012/10/04(水)(五十嵐太郎)
始発電車を待ちながら 東京駅と鉄道をめぐる現代アート 9つの物語
会期:2012/10/01~2013/02/24
東京ステーションギャラリー[東京都]
東京ステーションギャラリーにて、現代美術展「始発電車を待ちながら」を見る。いずれも駅や鉄道に関わるアート作品だが、前半は一般受けがよさそうな作家、パラモデル、ミニチュア風に撮影した東京駅と東武ワールドスクエアの1/25の東京駅の模型写真を並べた本城直季、クワクボリョウタらが続く導入部とし、後半はヤマガミユキヒロなどを紹介する。あいちトリエンナーレ2013の公式デザイナーの廣村正彰も、既存の煉瓦壁を活用した人が通り過ぎる映像作品で参加している。
2012/10/03(火)(五十嵐太郎)