artscapeレビュー
パフォーマンスに関するレビュー/プレビュー
浜田麻里 Mari Hamada Tour 2016 “Mission”
会期:2016/05/29
東京国際フォーラム ホールA[東京都]
昨年のラウドパークでとてもよかったので、浜田麻里@東京国際フォーラム。デビューして30年が過ぎても、3時間のライブで疲れをまったく感じさせないウルトラ・ハイトーンボイスは、もはや強靭な楽器の領域だった。往年の名曲は抑え気味であり、挑戦を続ける求道者と言うべきか。ドラムは昔よく聴いた44マグナムのJOEだったのか。
2016/05/29(金)(五十嵐太郎)
イキウメ「太陽」
会期:2016/05/06~2016/05/29
シアタートラム[東京都]
映画化もされたイキウメ「太陽」@シアタートラム。この劇団の作品が好きでよく見ているが、これは確かに傑作である。太陽がもたらす二項対立は、人間や価値観を分け(差別)、内部と外部、あるいは新旧といった時間や空間の境界線もつくり出す。いつものように、SF風の設定だが、科学的な理由には触れられず、むしろドラキュラの物語のバリエーションを通じた人間社会のアレゴリーとも言える。登場人物はあえてステレオタイプな造形だが、それで終わらせず、複雑な葛藤を抱え、それぞれの未来を選択する。なじみのメンバーに加え、清水葉月が参加し、華を添えた。
2016/05/29(金)(五十嵐太郎)
スティーヴ・ハケット”ACOLYTE” to “WOLFLIGHT” plus Genesis Classics

会期:2016/05/23
なんばHatch[大阪府]
なんばHatchのスティーヴ・ハケットのライブは、2時間超えで大満足の内容だった。指で弾くギター奏法がユニークであり、拍の頭でもダウンではなく、必ずアップから弾く。音の選び方のせいもあるが、左右とも指使いが普通とはだいぶ違う。そしてヴォリューム・ペダルの活用、コーラスのエフェクト、独特のアーミングも特徴的だった。先週、武道館で見たディープ・パープルがおじいちゃんだけど頑張ってシャウトし(開始も早く、時間が正確)、微笑ましくも感じたのに対し、ピタッと決めるプログレは老いても現役感があまり損なわれない。それにしても、なんばHatchの前に浮庭橋という名前のとおり! の土木構築物があって驚く。
写真:浮庭橋
2016/05/23(月)(五十嵐太郎)
潑墨山水譚─気韻性道 内海信彦絵画表現研究室 腿テント

会期:2016/05/16~2016/05/21
ギャラリイK[東京都]
エレベータを下りるとすぐギャラリーなのだが、幕が張られて内部が見えず、白塗りの女が出てきて誘導してくれる。なかに入ると、壁も天井も幕が張られ、左手前に鉄釜を銅鑼代わりに鳴らす女、奥に白衣の女がふたり、手前に黒衣の男女不明がひとりうつぶせになり、全体を囲うように前衛書みたいな墨絵を描いた屏風が立っている。時間は2分半と告げられたので演劇仕立てらしい。奥のふたりの女がなにやらやりとりし、手前の黒衣が起き上がって(男だった)セリフをいうのだが、覚えているのは最後の「やっと見つかった。なにが? 永遠が」というだれもが知ってるセリフだけ。なんだかよくわからないアナクロ・アングラ芝居。
2016/05/20(金)(村田真)
美幸~アンコンディショナルラブ
会期:2016/05/12~2016/05/24
本多劇場[東京都]
二人芝居「美幸~アンコンディショナルラブ」@本多劇場。文字が大好きなある少女は学校時代に受けたいじめがトラウマとなり、仕事場におけるささやかな喜劇的な復讐を企てるようになる。やがて、ねじれた純愛を経て、そして「涙」のエンディングを迎える。正直、舞台美術や鈴木おさむの作・演出はあまりピンとこなかったが、『紙の月』とは違うタイプの大島優子の熱演はよかった。
2016/05/19(木)(五十嵐太郎)


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