2017年10月15日号
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artscapeレビュー

N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅

2017年03月15日号

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会期:2017/02/04~2017/06/11

森美術館[東京都]

ハルシャなんて聞いたことなかったけど、インド南部のマイスールを拠点に活動するアーティスト。聞いたことないといっても、10年ほど前に森美術館で開いた「チャロー! インディア:インド美術の新時代」展に出品していたので、見たことはあった。いわれてみればたしかにこんな作品あったなと思い出したが、まあその程度にしか覚えてないアーティストによくぞ個展を開かせるもんだと、森美術館の度量の大きさに感心したりもする。もちろん彼がインド現代美術のワンノブゼムではなく、ベスト・アーティストであるとの確信のもとに今回の個展は企画されたはずだが、そこがよく伝わってこない。作品は絵画を中心に、立体、インスタレーション、観客参加のワークショップもあるが、印象に残るのは数百数千もの人を克明に描いた絵画と、上を見上げる人々を描いた絵を床に敷き、その上を歩くインスタレーションくらい。前者はモチーフの繰り返しという意味ではプリミティブだが、よく見ると一人ひとりの違いを描き分けている点できわめて明晰だし、後者は人の上に立ち顔を踏みつけるという優越感とうしろめたさに、下からのぞかれている(特にスカートの女性は)という羞恥心も同時に味わわせてくれる佳作だ。でもそれ以外はあんまり……。

2017/02/03(金)(村田真)

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