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建築 |
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五十嵐太郎/いがらしたろう・建築批評 |
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第11回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展
提供=石上純也建築設計事務所 |
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2008年に注目するアーキテクトとその理由 |
石上純也、藤本壮介、平田晃久、長谷川豪は、新しい建築の原理を生みだそうとしている。
中村拓志さんは、インテリアの領域にも果敢に攻め込み、新しい建築家像を開拓しようとしている。
阿部仁史さんはUCLAを拠点として、アメリカと日本の建築界の新しい関係のプラットフォームをつくろうとしている。
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2008年に期待する展覧会・ムーヴメントとその理由 |
日本建築学会が秋に企画している構造とデザインのアーキニアリグン展や、東京都庭園美術館の建築と写真をめぐる「建築の記憶」展。手前味噌ですが、コミッショナーをつとめることになったヴェネツィア・ビエンナーレ建築展2008の石上純也さんによる日本館は、やはり僕自身もとても楽しみしています。若手建築家を積極的に紹介しているプリズミック・ギャラリーもがんばって欲しい。また2008年に刊行予定の皇居美術館空想の動きと、『10+1』No.49(INAX出版、2007)に掲載された東京オリンピックの計画案の展開。建築家が都市や社会から切り離されているときに、あえていずれもでかい話しを提起しているから。 |
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2007年に記憶に残った書物、論文、発言など |
植田実『都市住宅クロニクル I・II』(みすず書房、2007)は、長年にわたり、現場を見てきた個人の編集者の目から描いた現代建築史として興味深い。東浩紀+北田暁広『東京から考える──格差・郊外・ナショナリズム』(日本放送出版協会、2007)は、工学主義や下北沢の問題をめぐって熱い議論がなされた。翻訳を監修したディヤン・スジック『巨大建築という欲望』は、中国やドバイの状況を考えるうえでも重要な本である。 また選挙に出馬し、メディアをにぎわせた後、逝去した黒川紀章さんの言動も印象的でした。 |
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