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ダンス |
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木村覚/きむらさとる・ダンス批評 |
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岡崎乾二郎 編著『芸術の設計』 |
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2008年に注目するアーテイストとその理由 |
5人の作家をあげてみたい。
神村恵は、ソロのみならずカンパニー(神村恵カンパニー)の公演も目立ってきた、若手のなかでもっとも期待したい存在。アイディアがともかく際だってユニーク。いま舞台上にもっともスリルある時間を構成する振付家・ダンサーだろう。
手塚夏子は、「身体」という表現メディアに猛烈に独創的で哲学的な孤高の実験を重ねてきた。公演のみならず、トーク・イヴェント「カラダカフェ」も含めて、彼女の動向はますます無視できなくなっている。
鈴木ユキオ(金魚)は、舞踏にこだわりつつ現在の身体表現のあるべきかたちをきわめて真摯に、故に実り豊かに模索してきた一人だが、去年、それが明確な像を結び始めてきた。今年の活躍を大いに期待したい。
去年の公演『しんぱい少年』が感動的だった常樂泰(身体表現サークル)も、今年の活動に注目したい。
最後に黒沢美香。「何がダンスであるのか?」を真摯に見つめ続けてきた身体は、今年もさまざまな舞台で活躍することだろう。 |
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2008年に期待する展覧会・ムーヴメントとその理由 |
前問で挙げたような日本のコンテンポラリー・ダンスの動向以外では、アニメ業界内でのダンスブーム(ハルヒ、らき☆すたetc.)、あるいはハロプロ系ダンスの行方、Perfumeの活躍、初音ミク以後のアイドル身体論の展開……これらの分野のゴージャスでときにアジア的な力を帯びた、テクノ的で、また一種宗教的とも言えるダンスの動向に注目したい。通俗的であるがために低俗的とみなされがちなこれらのアプローチにおいては、ひとを誘惑しコントロールするダンス固有の力がきわめて機能的に働いているように思うし、今年はその魅力がこれまで以上に明瞭になってくる気がする。 |
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2007年に記憶に残った書物 |
──岡崎乾二郎 著・監修『芸術の設計──見る/作ることのアプリケーション』(フィルムアート社、2007) |
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