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デザイン |
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川上典李子/かわかみのりこ・ジャーナリスト、エディター |
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Andrew Burroughs + IDEO,
Everyday Engineering: How Engineers See |
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2008年に注目するデザイナーとその理由 |
デザインとエンジニアリング、デザインとアートなど、従来の枠組みを超えるようにして独自の視点で、しなやかで力強い探究を展開しているクリエイターの活動が気になる。こうしたクリエイターたちが、デザインそのものの可能性を広げてくれることに期待。
たとえば若手の以下3名(組)……
1──トマス・ヘザウィック(英国)
エンジアリングの力を駆使しながら、家具から建築まで、独自の造形を実現している。
2──スチュワート・ヘイガース(英国)
収集物を利用して美しいシャンデリアを生み出してくれるアーティストでありデザイナー。
私たちが見落としていた身近な物の価値を改めて示す。今年は何を提示してくれるのか。
3──takram(東京)
デザインエンジニアリング・ファーム。問題意識を持ち、造形能力に秀いでた気鋭のデザインエンジニアが、今度、デザインの現場にどのような刺激、影響を与えるかが楽しみ。
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2008年に期待する展覧会・ムーヴメントとその理由 |
1──展覧会より
Design and the Elastic Mind(ニューヨーク近代美術館)
2──企業の活動として
アルテックの「セカンドサイクル」の行方に期待
建築家アルヴァ・アアルトの家具でも知られるフィンランドの歴史的な家具メーカー、アルテック社が、学校や施設、個人邸、フリーマケット等から時を経たアアルト製品(家具)を収集、各製品のそれまでの歴史を添えながら、新たに次の使い手(買い手)へと時を重ねていく試みを始めた。
各家具にはRFIDタグがつけられ、家具の来歴を知ることができるしくみも考案。サステイナビリティという視点はもちろんのこと、時代を重ねていくという試みを家具メーカー自ら行なっていることに注目したい。人とデザイン、身近な物の関係性を改めて考えさせてくれるプロジェクトでもある。
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2007年に記憶に残った書物、論文、発言など |
発言から2つ
1──「今の日本はマイナス面が目につきます。しかし、ネガティブな状況で終わらせてはいけない。誇りをもってものをつくる、人材を育てるといったプロセスを重ねて、知的なエネルギーを発揮していかなければならないと思います。資源のないこの国にあるのは人間の叡智と工夫なのですから。人間がいるところには必ずデザインが存在するし、生きていくことがデザインであることを、多くの人たちと分ち合っていきたい」
三宅一生氏
「21_21 DESIGN SIGHT」開館にあたって。『21_21 DESIGN SIGHT BOOK』より
2──"The majority of the world's designers focus all their efforts on developing products and services exclusively for the richest 10% of the world's customers. Nothing less than a revolution in design is needed to reach the other 90%."
Dr. Paul Polak氏(International Development Enterprises)
NY、クーパー・ヒューイット美術館で開催された「Design for the other 90%」に際して
書籍から
3──Andrew Burroughs + IDEO, Everyday Engineering: How Engineers See
人々が何気なく行なっている行為をまとめた IDEOのJane Fulton Sari +IDEO, thoughtless acts?のエンジニア版。著者はIDEOのエンジニア。 |
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