[新春企画]アート・ヴュー 2008 |
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美術、写真、映画、建築、デザイン、演劇、ダンスなど、各ジャンルの批評家、ライター、作家らが、2007年を振り返りながら2008年注目のアートシーンを展望します。2月1日号まで随時更新! |
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美術 |
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2008年に注目するアーティストとその理由 |
現在の歴史的状況を、盛期資本主義アートの時代と捉えた場合。グローバル資本主義に抵抗するアーティストたち、特に中央ヨーロッパ(ドイツ、スイス、オーストリア)のアーティスト──Thomas Hirschhorn、Urs Fischer、Andre Butzer、Anselm Reyle──に注目している。しかし彼らの作品は、すでにPinaultやRubell Familyといった有名なコレクターに蒐集されているのだが。
一方で次の質問の答えにつながるが、グローバル資本主義を根本から批判するアーティストの動向にも注目したい。特に、資本の矛盾が直接、間接に露呈する地域や、それが引き起こす悲惨な紛争や戦争の渦中に生きるアーティストたちの活動に。ここでは、彼らの名前は挙げない。というのも、彼ら自身がマルチチュードであったり、作品の題材がマルチチュードに関連していたりと、本質的に無名の集合体だからだ。 |
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2008年に期待する展覧会・ムーヴメントとその理由 |
2008年は、オセアニア、アジアで開催されるビエンナーレとトリエンナーレに期待する。
先に述べたように、過去の中心である欧米のアートにはグローバル資本主義に抵抗するアーティストという例外はいるが、新たな時代を創出するアイディアも活力ももはやない。
2008年以降、欧米以外の世界の各地で、前問の後半で紹介したマルチチュードが多彩な活動を繰り広げネットワークを形成するだろう。その元年である2008年に注目したい。 |
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2007年に記憶に残った書物、論文、発言など |
なし |
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