[新春企画]アート・ヴュー 2008 |
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美術、写真、映画、建築、デザイン、演劇、ダンスなど、各ジャンルの批評家、ライター、作家らが、2007年を振り返りながら2008年注目のアートシーンを展望します。2月1日号まで随時更新! |
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サブカルチャー |
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阿部嘉昭/あべかしょう・サブカルチャー批評 |
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日向寺太郎『誰がために』 |
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2008年に注目する映像関連の作家 |
──日向寺太郎
『火垂るの墓』の公開が控えている。処女作『誰がために』の端正な手捌きがどうこの野坂昭如原作に実写作品としてどう結実するか。日向寺監督は近年、黒木和雄と松川八洲雄、この二人の「師匠」を失ったが、彼らに「なりかわって」この難物に誠実に挑んでいるだろう。 |
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2008年に注目するムーヴメント |
三村京子の新作CD『東京では少女歌手なんて』の発売。僕が収録曲歌詞の過半を手がけたこのCDは、彼女の声、作曲能力、ベーシスト船戸博史の演奏などすべての面で、「現状の歌のありか」を指針するとおもう。船戸プロデュース音盤は去年、長谷川健一のアルバムでも話題をさらった。 |
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2007年に記憶に残った書物 |
詩がそれまでの束縛から離れ眩しい自在性をもちはじめた一年だった。詩集の絶品が多い。
1──杉本真維子『袖口の動物』(思潮社、2007)
2──廿楽順治『たかくおよぐや』(思潮社、2007)
3──藤原安紀子『フォ ト ン』(思潮社、2007) 4──清水あすか『頭を残して放られる』(南海タイムス社、2007)
60〜70年代詩人の復活も嬉しかった。とりわけ古賀忠昭と金石稔。 |
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