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デザイン |
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藤崎圭一郎/ふじさきけいいちろう・デザインジャーナリスト |
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多木陽介『アキッレ・カスティリオーニ』 |
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2008年に注目するデザイナーとその理由 |
──takram
田川欣哉と畑中元秀によるユニット。2006年結成。ともに工学部出身。デザインとエンジニアリングを両方に通じる若い才能の代表格。仕組みの言語とかたちの言語の2つを話せるニュータイプのバイリンガル・クリエーター。 |
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2008年に期待する展覧会・ムーヴメントとその理由 |
──「村野藤吾」展(松下電工 汐留ミュージアム、8月2日〜10月19日)
今年は村野藤吾の再評価が進む年ではないでしょうか。モダニズムの枠に収まりきらない万華鏡のような多様性をもつ村野藤吾の仕事をどう捉えるかを問い直すことは、建築家やデザイナーがそれぞれの立ち位置を確認することにつながるでしょう。村野藤吾は20世紀を映し出す回顧の鏡でありながら、実は21世紀を映し出す未来の鏡でもあったりします。 |
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2007年に記憶に残った書物、論文、発言など |
──多木陽介『アキッレ・カスティリオーニ──自由の探求としてのデザイン』(アクシス、2007)
2002年に没したイタリアを代表するプロダクトデザイナーの仕事を、ミラノのスタジオに通い詰め、綿密な調査で分析した良書。批評的立場の第三者による作家論が乏しいデザイン界において、こうした本が出版されること自体が画期的。文章も読みやすく、多木が浮き彫りにするカスティリオーニの姿勢から、多くのデザイナーに勇気をもらうことでしょう。 |
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