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演劇 |
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篠儀直子/しのぎなおこ・表象文化論 |
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NODA・MAP番外公演『THE BEE』 |
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2008年に注目する日本現代演劇人とその理由 |
まずは、五反田団主宰の前田司郎の、岸田戯曲賞受賞を今回こそ期待したい(昨年受賞するべきだったのだ!)。彼が無理ならせめて赤堀雅秋に。他の若手劇作家・演出家としては、次々問で言及する東京デスロックの多田淳之介のほか、サンプルの松井周、乞局の下西啓正を推す。テレビドラマ「SP」へのゲスト出演でにわかに一般の注目度が増した、ひょっとこ乱舞所属の役者チョウソンハの特権的身体にも引き続き注目。 |
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2008年に期待する日本現代演劇ムーヴメントとその理由 |
「等身大」からかけ離れた縮尺による作劇と演出(野田秀樹のような)は少数派になっていると言われているが、ほんとうにそうだろうか。演劇ジャーナリズムが鈍感なだけなのではないだろうか。もちろん一方で、青年団を源流とするミニマルな演劇も、岡田利規の試み(「超口語演劇」「だらしない身体」)も、まだまだ可能性を汲み尽くされてはいない。ジャーナリズムの鈍感さを高みから笑いのめすような動きを、驚きをもたらしてくれるものを、ことしも期待します。 |
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2007年に記憶に残った日本現代演劇作品と個人 |
いわゆる「2007年の3作」を鑑賞順に挙げると、NODA・MAP番外公演『THE BEE』(日本バージョン・ロンドンバージョン)、遊園地再生事業団『ニュータウン入口』、維新派『nostalgia』となる。劇作休止状態を解除したケラリーノ・サンドロヴィッチは、パルコ制作『犯さん哉』とナイロン100℃『わが闇』をもって、作家としてまったく新しい局面へと入った。若手では、東京デスロックによる一連の実験がとりわけ印象に残った。 |
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