|
美術 |
|
|
|
|
2008年に注目するアーティストとその理由 |
「アーティスト」の役割が根底から再考されている昨今、特定のアーティストを推薦することにはあまり大きな意義を見出すことができません。むしろ、これまでの「アーティスト」の概念には当てはまらない人びとのなかに、これからの『アーティスト』を想像していくことのほうが有意義だと思われます。たとえば美術教育を受けずとも、美術的なものに並々ならぬ関心を注いでいる、年金生活をはじめた老年の人びとに注目しています。 |
|
2008年に期待する展覧会・ムーヴメントとその理由 |
アートにおいてマルチカルチュラリズムが浸透したことと、アートというジャンルそのものが近接領域との融合を果たした結果、時代を象徴するムーヴメントはますます成立しにくくなっていると思います。その反面、アートに限らずさまざまなジャンルが凝縮したローカルエリアが前景化しつつあります。その意味で、トリオフォーやChim↑Pomが活動の拠点としている高円寺は、今後も眼が離せないエリアだといえます。 |
|
2007年に記憶に残った書物、論文、発言など |
高円寺を拠点にアートにかぎらずさまざまな表現活動に取り組んでいるトリオフォーが制作した『佐藤修悦DVD』。ガムテープで形成した道案内の文字の美しさに惚れこんだトリオフォーが、その作者である佐藤にインタヴューした映像作品です。端から「アート」を志向しない構えや、「ゼロ円コミュニケーション」といわれる廉価な表現手段、そして当初はYou Tubeで発表されたという経緯も含めて、きわめて同時代的な表現活動の形態を指し示していると思います。 |
|
|