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バックナンバー
小さなアートスペースと「公共」のあわいを見つめながら──ともにあることへの賭けとmonade contemporary | 単子現代の試み
[2023年07月01日号(F. アツミ)]
COVID-19が世界を騒がせ続けたこの約3年の間に、人が集まる場を新しくつくる。そういった営みを知るたびに、安易に「挑戦」のようなアングルを付けて解釈してしまいそうになるが、人と人の連帯や、共にあることの意義が大きく変化し多様化していくな...
絵本『ちいさいおうち』の結末は、ハッピーエンドか?──ゲニウス・ロキから考える、モダニズム建築保存の困難
[2023年06月15日号(本橋仁)]
東京都武蔵野市所有のアントニン・レーモンド設計による旧赤星鉄馬邸は、昨年、国の登録有形文化財(建造物)に登録され、有効な利活用の方法が専門家や一般市民によって模索されている。先月一般公開したところ、7日間で5,000人近くがつめかけたという...
【マニラ】記録の断片に触れる──女性カルチュラルワーカーたちのアーカイブ
[2023年06月01日号(平野真弓)]
フィリピンではグループ展の企画やスペースの運営といったオーガナイザーとしての役割を果たしているアーティストによく出会う。こうしたまとめ役を担う人たちの労力があって、美術界の既存のヒエラルキーとはある程度の距離を保ちながら、自由な発想や実験的...
サウンドプログラマー濱哲史に聞く、坂本龍一のインスタレーション作品 制作の流儀
[2023年05月15日号(濱哲史/畠中実)]
3月28日に逝去された音楽家・坂本龍一氏は、多岐にわたる創作活動で知られているが、さまざまなアーティストやエンジニアたちとともに多くのインスタレーション作品も手がけていた。展示空間をアルバムやコンサートとは異なる音空間として、坂本氏はそこで...
【ソウル】人々をつなぐプラットフォームをつくる──キュレーター、シン・ボスル
[2023年04月15日号(シン・ボスル/セオ・ヒョジョン)]
ソウルを拠点にしているキュレーター、シン・ボスルは1997年から展示企画を始め、Media city Seoul 2004(第3回ソウル国際メディアアートビエンナーレ) ★1 展示チーム長、議政府デジタルアートフェスティバルのキュレーターを...
鑑賞と座り込み──いること、見ること、見えてくるもの
[2023年04月15日号(山川陸)]
直近で足を運んだ展覧会での経験を回想するとき、私たちの身体は、その空間にどのように関わっていたか思い出せるだろうか。展覧会の空間は、言わずもがな作品を鑑賞する行為を前提として設計された場所でありつつも、その環境を細かく観察し腑分けしていくと...
【深圳】更新される都市空間とアイデンティティ──第9回深圳・香港都市/建築ビエンナーレから
[2023年04月01日号(市川紘司)]
深圳と香港、2つの経済特区にまたがって、建築と都市をテーマに開催されている深圳・香港都市/建築ビエンナーレ(Shenzhen & Hong Kong Bi-city Biennale of Urbanism\Architecture。以下、...
空気をめぐって──有機物とアートの新たな関係
[2023年03月15日号(四方幸子)]
2011年3月11日。この日、津波に加えて、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、大気や環境に放射性物質が放出されたことを忘れることはできない。 あれから12年……。その後に全世界で起きた新型コロナウイルス感染症を経験したパンデミックの時代...
【インド・コーチン】南アジアのアートハブ、コチ=ムジリス・ビエンナーレ10周年目の波乱
[2023年03月01日号(黒岩朋子)]
2012年から南インドのケーララ州コーチン(コチ)で始まったコチ=ムジリス・ビエンナーレは、アーティスト主導のもと、大航海時代の古びた港町を現代美術の祭典の地に変貌させ、類を見ない大型の国際芸術展へと成長を遂げた。その成功は国内の若手、無名...