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【ケルン】デジタルとアナログを批評的に往還する──チョイ・カファイの〈テレプレゼンス〉

[2023年09月01日号(内野儀)]

今年の初夏にドイツの2都市で開催された「Theater der Welt(世界演劇祭)2023」は、そのプログラム・ディレクターを芸術公社の相馬千秋氏が務めたことで日本国内でも話題になった。こうした例も筆頭に、長い歴史をもつ欧州の伝統的な劇...

【イルクーツク】ごみの埋め立て地がミュージアムに──文化的価値と都市のメンツのジレンマ

[2023年08月01日号(多田麻美)]

門の手前には、中世風の戦艦が二隻並び、その先では、古い要塞を象ったかのような木造の門が来場者を招き入れる。中に入ると、空想の世界の兵士の人形がずらり。素朴な造りだが、大きくて数も多いのでぎょっとする。 一見、テーマパークのようにも見えるが、...

【パリ】二つの展覧会から見るアート、その価値と「お金」

[2023年08月01日号(栗栖智美)]

セーヌ川を挟んでルーヴル美術館の向かい、そしてオルセー美術館の隣にひっそりとたたずむ建物がある。864年にフランス国王の命で設立された世界最古の国有企業、コイン鋳造を担うパリ造幣局だ。現在でもユーロ硬貨やレジオンドヌール勲章などを作っている...

「浪のしたにも都のさぶらふぞ」──二つの人形劇+映像インスタレーションから見える台湾と関門海峡をつなぐ地霊

[2023年07月15日号(栖来ひかり)]

山口で、台湾と日本をつなぐ壮大な叙事詩をみた。展覧会の名前を「浪のしたにも都のさぶらふぞ」という。 今年20周年を迎え、さまざまな記念イベントや展覧会を開催している山口情報芸術センター[YCAM]。その記念事業のひとつである本展を手掛けたの...

小さなアートスペースと「公共」のあわいを見つめながら──ともにあることへの賭けとmonade contemporary | 単子現代の試み

[2023年07月01日号(F. アツミ)]

COVID-19が世界を騒がせ続けたこの約3年の間に、人が集まる場を新しくつくる。そういった営みを知るたびに、安易に「挑戦」のようなアングルを付けて解釈してしまいそうになるが、人と人の連帯や、共にあることの意義が大きく変化し多様化していくな...

絵本『ちいさいおうち』の結末は、ハッピーエンドか?──ゲニウス・ロキから考える、モダニズム建築保存の困難

[2023年06月15日号(本橋仁)]

東京都武蔵野市所有のアントニン・レーモンド設計による旧赤星鉄馬邸は、昨年、国の登録有形文化財(建造物)に登録され、有効な利活用の方法が専門家や一般市民によって模索されている。先月一般公開したところ、7日間で5,000人近くがつめかけたという...

【マニラ】記録の断片に触れる──女性カルチュラルワーカーたちのアーカイブ

[2023年06月01日号(平野真弓)]

フィリピンではグループ展の企画やスペースの運営といったオーガナイザーとしての役割を果たしているアーティストによく出会う。こうしたまとめ役を担う人たちの労力があって、美術界の既存のヒエラルキーとはある程度の距離を保ちながら、自由な発想や実験的...

サウンドプログラマー濱哲史に聞く、坂本龍一のインスタレーション作品 制作の流儀

[2023年05月15日号(濱哲史/畠中実)]

3月28日に逝去された音楽家・坂本龍一氏は、多岐にわたる創作活動で知られているが、さまざまなアーティストやエンジニアたちとともに多くのインスタレーション作品も手がけていた。展示空間をアルバムやコンサートとは異なる音空間として、坂本氏はそこで...

【ソウル】人々をつなぐプラットフォームをつくる──キュレーター、シン・ボスル

[2023年04月15日号(シン・ボスル/セオ・ヒョジョン)]

ソウルを拠点にしているキュレーター、シン・ボスルは1997年から展示企画を始め、Media city Seoul 2004(第3回ソウル国際メディアアートビエンナーレ) ★1 展示チーム長、議政府デジタルアートフェスティバルのキュレーターを...

鑑賞と座り込み──いること、見ること、見えてくるもの

[2023年04月15日号(山川陸)]

直近で足を運んだ展覧会での経験を回想するとき、私たちの身体は、その空間にどのように関わっていたか思い出せるだろうか。展覧会の空間は、言わずもがな作品を鑑賞する行為を前提として設計された場所でありつつも、その環境を細かく観察し腑分けしていくと...

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