artscapeレビュー
金光男 個展 CONTROL
2013年07月01日号
会期:2013/06/01~2013/06/30
eN arts[京都府]
金の作品は、パラフィンを塗った紙、キャンバス、パネルに日常風景の写真をシルクスクリーンでプリントし、イメージの一部を熱で溶かして歪ませたものだ。前回の個展では、床置きした作品に電球を密着させてイメージが変容する様を見せていたが、本展では複数の作品を重ねて展示したり、同一イメージの2点のうち1点を歪んだイメージで提示するなどの手法が取られた。彼の作品を見ていると、現実世界までもがいつしか歪みはじめるような不安感に襲われる。そうした精神作用を持つことが彼の作品の特徴なのだ。個展のたびに新たな展示方法の実験を繰り返すことで、作品の強度は順調に増している。
2013/06/01(土)(小吹隆文)