artscapeレビュー

田中愛子 PAINTING Solo Exhibition

2015年09月01日号

会期:2015/07/25~2015/08/21

THE TERMINAL KYOTO[京都府]

花や植物をモチーフにした半抽象画を制作する田中愛子。彼女のテーマは「絵画のここちよさ」を表現すること。モチーフは線と色彩に純化され、重なり合い響き合うことで不規則な揺らぎを放ち、「絵画のここちよさ」へと繋がっていく。田中は昨年に美大の大学院を修了したばかりの若手で、個展も3度しか経験していないが、今回大きなチャレンジを行なった。京都の繁華街・四条烏丸に程近い昭和7年築の京町家で大規模な個展を行なったのだ。作品数は絵画とドローイング合わせて18点。うち1点は約2メートル×約4メートルの大作で、他にも長辺2メートル超が1点、同1メートル超が2点あり、広大な屋敷の土間、床の間、板間に飾られていた。重厚な京町家に負けない作品を揃えてきたのは敢闘賞もので、今後の彼女の活躍が大いに期待される。

2015/07/28(火)(小吹隆文)

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