artscapeレビュー
中国革命宣伝画展
2018年02月01日号
会期:2018/01/10~2018/01/30
明治大学博物館[東京都]
昨年、明治大学現代中国研究所編で白水社から出版された『文化大革命』の連動企画展。1966年から76年までの文化大革命時につくられたプロパガンダ用のポスターやビラなど100点以上を中心に、写真、毛沢東語録、バッジなども出品。ポスターやビラの原画は写真に基づいた絵が多いが、なかには歴史画のようなリッパな図柄もある。中国に現代美術が到来するずっと昔のことだが、こうした西洋的なリアリズム表現は、1938年に革命の聖地といわれる延安に創設された魯迅芸術学院が大きな役割を果たしたらしい。パンフレットによれば、「その手法は単純で、中国共産党史観に基づいて善悪を明確に区別し、無産階級の労働者(工)、農民(農)、軍隊(兵)のいわゆる「工農兵」を、それらを指導する毛沢東や共産党とともに大きく、明るく、爽やかに描き、国民党や日本軍、そして有産階級を卑屈に、小さく、暗く表現した」。なるほど毛はひときわ大きく、明るく、ハンサムに描かれている。あれ? 日本人は卑屈に、小さく、暗く描かれてたっけ? 小さすぎて暗すぎて気づかなかったかも。
2018/01/13(土)(村田真)