2023年09月15日号
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artscapeレビュー

カタログ&ブックス | 2023年2月15日号[近刊編]

2023年02月15日号

展覧会カタログ、アートやデザインにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
※hontoサイトで販売中の書籍は、紹介文末尾の[hontoウェブサイト]からhontoへリンクされます





崇高のリミナリティ

著:星野太
発行:フィルムアート社
発行日:2022年12月24日
サイズ:四六判変形、300ページ

「超越的なもの」から「水平的なもの」へ。
崇高な(sublime)ものから閾的な(subliminal)ものへ、そして境界的な(liminal)ものへ。
現代思想、美術、文学、批評理論……「崇高」という美学の一大テーマを日常に開き、
現代美学のエッセンスをつかむための思索と対話。
池田剛介、岡本源太、塩津青夏、佐藤雄一、松浦寿輝との対話、崇高をめぐるブックガイドを所収。







芸術と共在の中動態──作品をめぐる自他関係とシステムの基層

著:森田亜紀
発行:萌書房
発行日:2022年12月25日
サイズ:四六判、236ページ

能動-受動、主体-客体という図式におさまらない芸術体験(作品の受容と制作)の内実を、「中動態」という言語の範疇を援用することで闡明した前著での議論を踏まえ、そこで残された課題、すなわち芸術という領域における他者との関わり、ひいては芸術制度の社会的成り立ちを考察。






高松次郎 リアリティ/アクチュアリティの美学

著:大澤慶久
発行:水声社
発行日:2023年1月13日
サイズ:A5判、256ページ

高松次郎の多様な作品に内在する、「リアリティ=真実」/「アクチュアリティ=事実」の美学とは何か。この問いを巡って、作家の思考と作品との間に秘められた、未だ見ぬ回路を切り開く。






災間に生かされて

著:赤坂憲雄
発行:亜紀書房
発行日:2023年1月18日
サイズ:四六判、240ページ

〈陸と海、定住と遊動、生と死、虚構と現実、セクシュアリティ…〉
──境界線が溶け合うとき硬直した世界に未来の風景が立ち上がる。


「人は避けがたく、ほんの気まぐれな偶然から、ある者は生き残り、ある者は死んでゆくのです。巨大な災害のあとに、たまたま生き残った人々はどんな思いを抱えて、どのように生きてゆくのか。思えば、それこそが人間たちの歴史を、もっとも深いところから突き動かしてきたものかもしれません」(本文より)


いくつもの不条理なできごとの底知れぬさみしさを抱えて、それでもなお生きるための思考。






原視紀行 地相と浄土と女たち

著:石山修武
写真:中里和人
発行:コトニ社
発行日:2023年1月21日
サイズ:A5判、144ページ

鬼才建築家・石山修武が、日本の深い地相と歴史をたずねながら、知られざる文化や人々の暮らしに迫る! 文化的な遺産や自然の様々な痕跡と出会いながら新たな魅力を再発見するちょっと不思議な「原始旅行のガイドブック」。






ヨコとタテの建築論 モダン・ヒューマンとしての私たちと建築をめぐる10講

著:青井哲人
発行:慶應義塾大学出版会
発行日:2023年1月24日
サイズ:四六判、304ページ

当たり前をじっくり考え直すこと、学び直すこと。 私たち=現生人類の本性に立ち返り、建築の思考をいきいきと語る。 相似の海としての「建物」の広がりから、「建築」はいかに世界と未来の幻視を立ち上げるか──。 東京藝術大学大学院での講義から生まれた出色の入門書。






感性でよむ西洋美術

著:伊藤亜紗
発行:NHK出版
発行日:2023年1月26日
サイズ:A5判、144ページ

2500年もの歴史をもつ「西洋美術」。その膨大な歴史や作品を理解するのは至難の業だ。しかし、5つの様式から「大づかみ」で概観すれば、「この時代の作品はこんな感じ」という全体像が見えてくる。キーワードは「感性」。古代から20世紀まで、約40点の名作を鑑賞して、感じたことを言葉にしてみれば、作品理解がぐっと深まる。「ルネサンスはなぜ重要なの?」「マネの何が革新的なの?」「ピカソはなぜ不思議な絵を描くの?」。美術館に行くと、まず解説を読んでしまう鑑賞法から卒業できる、新感覚の美術入門!






レペルトワールⅢ 1968

著:ミシェル・ビュトール
監訳:石橋正孝
訳:三ツ堀広一郎、中野芳彦、堀容子 他
発行:幻戯書房
発行日:2023年1月27日
サイズ:A5判

騙し絵か非゠騙し絵か(ホルバイン、カラヴァッジョ)、小説の地理学(ルソー)とポルノグラフィ(ディドロ)、毒薬/霊薬としての言葉(ユゴー)、連作としての絵画と文学(北斎、バルザック、モネ)、キュビスムの技法(ピカソ、アポリネール)、「正方形とその住人」(モンドリアン)、記憶の多角形(ブルトン)、「宇宙から来た色」(M・ロスコ)、考古学、場所、オペラ等々、文芸×美術を自在に旋回する、アクロバティックな創作゠批評の饗宴。






ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ「柔らかな舞台」

テキスト:菅野優香、ビンナ・チョイ、パブロ・デ・オカンポ、アンドリュー・マークル、崔敬華
デザイン:若林亜希子
発行:torch press
発行日:2023年1月27日
サイズ:200x125mm、272ページ

2022年11月12日(土)〜2023年2月19日(日)まで、東京都現代美術館にて開催されている企画展「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ  柔らかな舞台」のカタログ。






場所、それでもなお

著:ジョルジュ・ディディ=ユベルマン
訳:江澤健一郎
発行:月曜社
発行日:2023年1月28日
サイズ:四六判、188ページ

ユダヤ人絶滅収容所の〈場所〉をめぐる表象不可能性に抗して、映画や写真のイメージ(映画『ショアー』『サウルの息子』、アウシュヴィッツ=ビルケナウ国立博物館所蔵の写真群)を分析し、歴史の暗部を透視する試み。『イメージ、それでもなお──アウシュヴィッツからもぎ取られた四枚の写真』(原著2003年刊)の前後に書かれたユダヤ人大虐殺をめぐるテクスト三篇、「場所、それでもなお」(1998年)、「樹皮」(2011年)、「暗闇から出ること」(2018年)を一冊にまとめた、日本版独自編集の論集。






メディア地質学 ごみ・鉱物・テクノロジーから人新世のメディア環境を考える

著:ユッシ・パリッカ
訳:太田純貴
発行:フィルムアート社
発行日:2023年2月3日
サイズ:四六判、352ページ

物質という視点や長大な時間から現代のメディア状況を捉え直す、気鋭の研究者によるハードでドライなメディア文化論。






共和国の美術 フランス美術史編纂と保守/学芸員の時代

著:藤原貞朗
発行:名古屋大学出版会
発行日:2023年2月10日
サイズ:A5判、454ページ

王なき世俗国家で人々は芸術に何を求めたのか。戦争に向かう危機の時代に、中世宗教美術や王朝芸術から、かつての前衛までを包摂するナショナルな歴史像が、刷新された美術館を舞台に創られていく。その過程を、担い手たる学芸員=「保守する人」とともに描き、芸術の歴史性を問い直す。






文化の力、都市の未来 人のつながりと社会システム

編:(一財)森記念財団 都市と文化・クリエイティブ産業研究委員会
発行:鹿島出版会
発行日:2023年2月13日
サイズ:B5判、220ページ

文化芸術をはぐくみ都市の成長へ。そのための課題やアプローチを、世界の第一線で活躍する有識者へのインタビューより明らかにする。











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2023/02/14(火)(artscape編集部)

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