artscapeレビュー
戦争と芸術III─美の恐怖と幻影─
2009年03月01日号
会期:2009/01/16~2009/02/05
ギャルリ・オーブ[京都府]
真正面から「戦争」をテーマに据え、「戦争画」を出品する展覧会として過去2度の開催でも注目を集めた本展。3回目の今回も、藤田嗣治の《重爆》(1941)をはじめ、横尾忠則、宮島達男らの作品が揃い、見応えある内容となった。筆者としては、山口晃の疑似戦争画と、アンネ・フランクを想起させる主人公が登場する佐々木加奈子の写真・映像作品を見られたのが一番の収穫。戦争の記憶を隠すのではなく、公の場で議論すべきという本展の主旨には大いに賛成。むしろ公立美術館で開催すべきだと思うのだが、難しいんだろうなあ……。
2009/01/24(土)(小吹隆文)