artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
田中一光ポスター展
会期:2016/04/05~2016/06/19
国立国際美術館[大阪府]
展示では、1955年から2000年までの約50枚のポスターをずらりと並べる。仕事はオリンピックや企業文化との関係が目立つ。彼のデザインは、情緒的ではないモダンと和の邂逅が特徴だろう。同世代の日本人建築家も同じテーマを追求していたが、これが海外にアピールする武器にもなっていた。
2016/04/05(火)(五十嵐太郎)
森村泰昌:自画像の美術史──「私」と「わたし」が出会うとき
会期:2016/04/05~2016/06/19
国立国際美術館[大阪府]
もともとセルフィー的な作品をつくるアーティストだが、今回はまさに美術史における自画像をテーマとし、さらに私色が強い大個展になっていた。驚いたのは、2016年と記された新作が続々登場すること。3カ月間での多産ぶりがうかがえる。ハイライトは自画像を描いた作家たちのシンポジウムを想定した映像作品。物語的なわかりやすい美術の解説だが、絵をとらえる視点は筆者とだいぶ違う。
2016/04/05(火)(五十嵐太郎)
バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生
「バットマンvsスーパーマン」を見る。前作『マン・オブ・スティール』の戦闘における無茶苦茶な都市の破壊を見て、多くの犠牲者が出たのではないかと疑問に思った部分から、物語が始まっているのはいいけれども、さすがに全体のトーンが暗く、尺も長過ぎる。ザック・スナイダーの映画はわりと好きなほうだが、今回の戦闘シーンの連続は飽きてしまった。途中、ミースのファンズワース邸のような建築が登場するのは興味深い。
2016/04/04(月)(五十嵐太郎)
《Ndalem Natan》
[インドネシア]
ラストの建築訪問は、《Ndalem Natan》である。19世紀につくられた擬洋風的な建築を修復し、宿泊施設やアートセンターにリノベーションしたプロジェクトだった。王宮風、西洋風、イスラム的な要素もあるが、さらにアールヌーボー的な装飾やアールデコ的な家具も存在している折衷的な空間だ。
2016/03/31(木)(五十嵐太郎)
《Villa Agus Suwage》
[インドネシア]
Romoの弟子がやったレストラン(わりとあっさりのデザイン)で昼食後、《Villa Agus Suwage》を訪問する。Andra Matinによる安心のクオリティのトロピカル・モダニズムだ。インドネシアの現代建築に慣れて、もうトップライトに隙間があったり、実は屋外と遮蔽なしでつながる部屋があっても全然驚かなくなった。《Villa Agus Suwage》は、夫妻ともにアーティストによる家で、放し飼いの犬が7匹はいる中庭を挟んで、奥にあるスタジオの部分が大きい。作品制作のスペースはもちろん、施主が音楽の演奏が好きで、録音もできる部屋まで併設しているのはあまり見たことがない。生活を豊かに楽しむ家である。
2016/03/31(木)(五十嵐太郎)