artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

《西茂森の家》

[青森県]

弘前へ。前田卓による《西茂森の家》は、すぐ近くのベンガラ色の栄螺堂を意識し、同じ色や回り込む階段を用い、さらに2階からお堂と山の風景を望む。環境を味方につけた家である。室内は施主が世界各地のモノを飾り、空間が生き生きとしていた。

写真:左=西茂森の家、右=《栄螺堂》

2016/03/04(金)(五十嵐太郎)

《劇団の家》

[宮城県]

初日の最後は仙台市泉区の東北大賞の常連の手島浩之による《劇団の家》である。住宅地において劇団の練習ができる稽古場(7間×4間)を抱えた、居住の空間だ。ほかの家とは反対にメインの道路側に大きく開き、断面を調整しながら、特殊なプログラムを解く。ぎゅっと絞って入り、上に登ると空間が広がる感じに手島らしさを感じる。

2016/03/03(木)(五十嵐太郎)

《ファーマーズテラス 暮らしを愉しむ長屋》

[宮城県]

安達揚一による《ファーマーズテラス》は、田畑が住宅地に変わっていくエリアに建設された現代の長屋である。L字プランのユニットを連結させて、小さな中庭を抱えたロフトと2階付きの賃貸住宅群をつくる。さまざまな使われ方を想定するが、特に室内を見学したユニットは設計事務所が入り、かなり理想的に活用されていた。

2016/03/03(木)(五十嵐太郎)

《O HOUSE》

[宮城県]

続いて訪問した、菊池佳晴による《O HOUSE》は、グーグルアースで見ると、小学校の横のパヴィリオンのような赤い正方形がよくわかる。これは中庭を持ち上げ、天高の低い部屋をつくり、ハイサイドから四方の空間に光と空の風景を導く。斬新な形式である。また敷地に対して斜めの配置は、周囲の家と対面しないための工夫である。

2016/03/03(木)(五十嵐太郎)

岩沼市玉浦西災害公営住宅B-1地区

[宮城県]

竣工:2015年

岩沼の玉浦エリアで手島浩之が設計した復興住宅群に立ち寄り、地元の建築家による復興のプロジェクトが登場してきたことを実感した。

2016/03/03(木)(五十嵐太郎)