artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
山元町新山下駅周辺地区(第2期)災害公営住宅
[宮城県]
竣工:2014年
第9回のJIA東北住宅大賞2015の現地審査を古谷誠章さんとともに行なう。過去最多の11作品を4日間でまわる。最初の鈴木弘二・鈴木大助による山元町新山下駅周辺地区(第2期)災害公営住宅は、三角屋根の家型で建築にキャラを与えつつ、複数だからできることとして玄関を向かい合わせ、あいだにコミュニティ・ロードを設定する。
2016/03/03(木)(五十嵐太郎)
X-ミッション
『X-ミッション』は、エクストリーム・スポーツの制覇×独自の地球環境思想×FBI潜入捜査というてんこ盛りで無理やりなプロットだが、見どころであるべきアクションは凄まじく、看板に偽りはなかった。人間と荒ぶる自然について、究極の関係性を追求する。もっとも、種目を詰め込み過ぎたために、本来はそれだけで一本の映画になるくらい大変なはずの断崖の登頂があっさりしすぎているなど、個々のスリルがやや減じられていた。
2016/03/01(火)(五十嵐太郎)
さらば あぶない刑事
映画『さらば あぶない刑事』のラストは、『明日に向かって撃て!』のようになるのかと思いきや、やはりテイストが合わないので回避する。これも含めて、全体的になぜそうなるのかというロジックが物語に欠けるが、そもそもリアリズムが主眼ではない。軽やかで華麗なスタイルこそが、作品の醍醐味だということを改めて感じさせる。ただ、ずっと舞台になっている横浜の街は、その変化も含めて、もっとうまく使えないものだろうか。
2016/03/01(火)(五十嵐太郎)
魔女の秘密展
会期:2016/02/19~2016/03/13
ラフォーレミュージアム原宿[東京都]
西洋の魔女に関する資料を集めているというので意外に面白いのではと思って足を運んだが、焦点がボケており、内容も不十分だった。会場が美術館でないから、貸し出せる絵画の質が低いのは仕方ないにしても、魔女裁判の再現映像とかは、ヘタな現代アート風である。ただし、拷問する器具の迫力はあった。フェルメールがタイトルにある展覧会は彼の1点とその他同時代のオランダ絵画多数の構成になるしかないが、森アーツセンターの「フェルメールとレンブラント」展は、「魔女の秘密」展の直後なだけに安心して見られる。ただし、レンブラントも1点のみだった。大文字としての宗教画や歴史画ではない、サブカルチャー的な題材の絵が発展した17世紀オランダのおさらい的な内容である。
2016/02/29(月)(五十嵐太郎)
名古屋大学脇坂圭一研究室《ソトマで育てる、ソトマでつながる》
[愛知県]
竣工:2015年
名古屋大学の研究室で設計した脇坂圭一の案内で、日進市に向かい、未来の風景をつくるコンペで実現した3棟の住宅を見学した。外部の交流空間ソトマを設けながら、ボックスを組み合わせて家の空間をつくる提案は、結構汎用性に富むことがよくわかる。また複数だからこそ、相互の家の見えや関係性がさまざまなシーンを生む。
2016/02/28(日)(五十嵐太郎)