artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

恩地孝四郎 展

会期:2016/01/13~2016/02/28

東京国立近代美術館[東京都]

昨年、同人誌「月映」を軸にした展覧会が開催されていたので、いいタイミングでの回顧展かもしれない。画のプロポーションが絵に介入するグラフィックデザイン的な版画から抒情的・抽象表現へ。音楽に触発されたシリーズなども紹介する。敗戦後に彼の作品は海外でも購入されるようになったが、今回はそれらも一堂に集めていることは、大きな成果だろう。

2016/02/22(月)(五十嵐太郎)

artscapeレビュー /relation/e_00033670.json s 10121122

劇的舞踊「カルメン」再演

会期:2016/02/19~2016/02/21

KAAT神奈川芸術劇場[神奈川県]

ビゼーの音楽を再構成しつつ、四つん這いや五本指の足をフル活用する身体の動きによって、古典的なバレエを解体しながら、奔放なジプシーの情熱を表現する。今回は言葉の語り手として、学者の役も一応登場するが、ダンスだけでも十分に人間の複雑な関係が表現されているのに感心させられる。壁設計に田根剛の名前を見つけた。次の作品でも共同するようだ。

2016/02/21(日)(五十嵐太郎)

サイモン・フジワラ「ホワイトデー」

会期:2016/01/16~2016/03/27

東京オペラシティ アートギャラリー[東京都]

社会性をもった作品がうんぬんという前に空間の使い方が印象的だった。ちまちま部屋を分割せず、どーんと本来の大空間のよさを引き出す。彼個人が考えた新国立競技場案の模型が置かれていたのにも、ニヤリ。以前、中村哲也に彼のスカイツリー案を見せてもらったが(やはり、速そうな造形だった)、こういうのは大歓迎である。

2016/02/18(木)(五十嵐太郎)

artscapeレビュー /relation/e_00033687.json s 10121120

ジョン・ウッド&ポール・ハリソン「説明しにくいこともある」

会期:2015/11/21~2016/02/21

NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)[東京都]

英国の二人組による身体を使うパフォーマンスや建築的なセットを使う映像作品の数々を紹介する。シンプルな仕掛けによって、人と人、あるいは人とモノや、モノとモノの不思議で笑える関係性は、田中功起を想起させる。

2016/02/18(木)(五十嵐太郎)

artscapeレビュー /relation/e_00033057.json s 10121119

大森靖子ワンマンライブ「HELLO WORLD! MYNO. IS ZERO」

会期:2016/02/18

赤坂BLITZ[東京都]

考えてみると、彼女が歌うのを生で見るのは三度目である。おそろしく研ぎ澄まされた前衛でもなく、マーケティングの戦略的なキャラ造形でもない。超雑食的なアヴァンギャルドとでもいうのだろうか。現代のつぶやきを電波的に受信する強烈な歌詞が響く。そしてアンコール後のひとりの弾き語りがやはり一番すごかった。

2016/02/18(木)(五十嵐太郎)