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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

未来を担う美術家たち 18th DOMANI・明日展 文化庁芸術家在外研修の成果

会期:2015/12/12~2016/01/24

国立新美術館[東京都]

文化庁による芸術家の海外派遣、研修の成果を示すもの。巨大な壁画の木島孝文、近くから見ると俗で遠くから見るとバロック化する古川あいか、力強い造形の松岡圭介、新国立競技場を描いてほしかった風間サチコ、いつもと違う作風で福島の状況を示す栗林隆などが印象的だった。

写真:上=木島孝文、下=古川あいか

2016/01/23(土)(五十嵐太郎)

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壽初春大歌舞伎

会期:2016/01/02~2016/01/26

[東京都]

竣工:2013年

東銀座の新しい歌舞伎座の内部空間を初めて体験する。安定感あるデザインは、隈研吾ならではだ。に比べても、かなり横長の舞台であり、西洋の垂直性が強い劇場と全然違う。演目の「廓文章」は、放蕩息子が久しぶりに再会した遊女と痴話喧嘩と仲直りするのだが、最後はちょうど勘当が解かれ、親から身請け金がもらえてハッピーのすごい話である。

2016/01/22(金)(五十嵐太郎)

フィジカルシアターカンパニーGERO 旗揚げ公演「くちからでる」

会期:2016/01/15~2016/01/17

KAAT神奈川芸術劇場[神奈川県]

伊藤キム率いるGERO旗揚げ公演『くちからでる』@KAAT。ジェルミナルが演劇的にコミュニケーションの進化を見せたのに対し、これは身体を徹底的に追いつめて、そこから絞り出される言葉の発生に立会う。決して広くはない場に出自の違う8人が衝突するかのように動き、ドリッピング的な軌跡を描く。

2016/01/17(日)(五十嵐太郎)

東京アートミーティングVI“TOKYO”──見えない都市を見せる

会期:2015/11/07~2016/02/14

東京都現代美術館[東京都]

やはり東京に焦点を当てた「見えない都市を見せる TOKYO」展@MOT。これは圧倒的にYMO+宮沢章夫が面白い。全部これでもいいくらいだ。ロシア構成主義の引用など、YMOの視覚へのこだわりも確認できる。結局、音楽も最後は美術館にいくのだと痛感した。業界は権利の囲い込みには熱心だが、アーカイブや歴史をちゃんと位置づける音楽専門のミュージアムがないことを感じた。「美術」の制度はあり、その拡張もしやすいからなのだが。ホンマタカシもキュレーションを行ない、丹下の国立代々木競技場や二重螺旋の家が組み込まれていた。

写真:上=YMO、下=ホンマタカシ

2016/01/17(日)(五十嵐太郎)

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オノ・ヨーコ 私の窓から

会期:2015/11/08~2016/02/14

東京都現代美術館[東京都]

オリンピックを踏まえてだろうが、今回の展示は、代表的な現代アート作品よりも、東京あるいは日本と彼女のかかわりや活動に焦点を当て、1960年代の歴史的な資料もいろいろ出ている。建築とのつながりでは、自由学園で音楽教育を受けていたことが興味深い。当時の幼い写真まで残っていた。

2016/01/17(日)(五十嵐太郎)

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