artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

黒蜥蜴

会期:2016/01/16~2016/02/07

静岡芸術劇場[静岡県]

美を追求する女賊の演劇『黒蜥蜴』@静岡芸術劇場。東京タワー、船上、私設美術館などを表現する、単管で階段やアーチを組み上げた、これまでになく高さを生かした大がかりな舞台装置は、かなり好みである。乱歩/三島由紀夫の言葉はやや理詰めで堅苦しいが、掛け合いで演奏される音楽が伴うことで、リズム感を生み出す。

2016/01/16(土)(五十嵐太郎)

CCC展覧会企画公募 NCC2016 第8回入賞展覧会企画 新宅睦仁「コンビニ弁当の山」、大門光「ガンマ」

会期:2016/01/12~2016/02/13

静岡市クリエーター支援センター[静岡県]

静岡へ。しりあがり寿、小崎哲哉とともに審査を担当したCCCのニュークリエイターズコンペ2016の企画コンペで選ばれた作家の展覧会を見る。まず新宅睦仁は、コンビニで大量廃棄される弁当を積んだ富士山の大きな絵と酒の水面により、儀式的な空間を演出する。ただ、絵にもっと迫力が欲しかった。もうひとつが大門光による「ガンマ」展。マンガの絵と言葉の文法を解体しながら、世界を変えていく試みだ。奥に進むにつれて、だんだん絵画が崩れていくようなインスタレーションとして興味深い。絵の支持体の扱い、色などもユニークである。ただ、理論的、手法的な探求としては、まだこの先があるように思う。

写真:上=新宅睦仁、下=大門光

2016/01/16(土)(五十嵐太郎)

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ボッティチェリ展

会期:2016/01/16~2016/04/03

東京都美術館[東京都]

彼の師フィリッポ・リッピ、彼の弟子にしてライバルになったフィリッピーノも併せて紹介し、海外から多くの作品を集めている。ただ、ボッティチェリの描く顔はひときわ優美で、比べると違いが明快だ。ベタだが、愛される顔を描けることは重要なのだ。

2016/01/15(金)(五十嵐太郎)

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みなでつくる方法 吉阪隆正+U研究室の建築

会期:2015/12/03~2016/03/13

国立近現代建築資料館[東京都]

ドローイングのほか、《八王子大学セミナー・ハウス》の巨大模型、《日仏会館》の手摺や建具などの立体もあり、バラエティに富む気合いの入った内容だった。手描き図面は、犬や猫もいる! 外構、赤ん坊も描かれた室内、家具の緻密な書き込みが印象的である。コンピュータが当たり前になったからこそ、メディアの差が際立ち、手描きの特徴やよさがより理解しやすくなったかもしれない。

2016/01/15(金)(五十嵐太郎)

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旧岩崎邸庭園

[東京都]

国立近現代建築資料館に入るのに、旧岩崎邸庭園を経由した。考えてみると、学生のとき以来の訪問であり、鈴木博之先生の演習だったかもしれない。その後、ヨーロッパで相当数の様式建築を見たので、コンドルによる細部の変容、あるいは誤用? がよくわかる。それにしても、和館と庭をつなぐ石のデカイことに驚かされた。

2016/01/15(金)(五十嵐太郎)