artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
セドリック・デルソー『ダーク・レンズ』
発行日:2013/9/13(金)
セドリック・デルソーの写真集『ダーク・レンズ』(エクスナレッジ)が興味深い。画像を加工し、映画『スターウォーズ』の世界が現実の都市に移植されている。ほとんどがドバイ、それとパリやリールが舞台だ(リカルド・ボフィルのSF的なポストモダン建築も登場)。ダースベイダーやファルコン号が、実際の風景に紛れてもあまり違和感を覚えないのは、もうわれわれが未来を生きているからなのだろうか。
2013/08/27(火)(五十嵐太郎)
ダン・ペルジョヴスキ、ドローイング
愛知芸術文化センター 11階展望回廊[愛知県]
県議会議員があいちトリエンナーレの視察に訪れ、案内した。意外に長い時間をかけて見ていたのが、展望回廊のガラスに描かれたダン・ペルジョヴスキのドローイングである。なるほど、彼の作品は、社会や政治に対する皮肉を込めた言葉を読みとくことの面白さをもつからだろう。14日に一日の弾丸ツアーで、大村知事にあいちトリエンナーレの全会場を案内し、岡崎では内田市長・議員が合流したときも、政治家だけに、丹羽良徳さんの作品、マルクス195歳の誕生会と共産党へのインタビューに関心をもったことに通じる。
写真上:ペルジョヴスキのドローイング、下:丹羽良徳の作品
2013/08/26(月)(五十嵐太郎)
あいちトリエンナーレ2013 モバイル・トリエンナーレ
会期:2013/08/23~2013/08/25
穂の国とよはし芸術劇場プラット[愛知県]
豊橋に移動し、モバイル・トリエンナーレの会場へ。駅と直結する新施設、穂の国とよはし芸術劇場プラットのさまざまな場所(小ホール、練習室、吹抜け、通路など)にあいちトリエンナーレのアーティストによる作品が散りばめられ、ひとめぐりすると、全体の空間もわかる。モバイル・トリエンナーレは、16人の作家が本展とは別の作品を展示し、さらに映像プログラムの一部もここで見せるプログラムである。想像以上のヴォリューム感だった。今後も知多、春日井、東栄町の三ヶ所で週末に開催される予定。
2013/08/24(土)(五十嵐太郎)
わた死としてのキノコ 今村源/オディロン・ルドン 夢の起源
静岡市美術館[静岡県]
会期:
わた死としてのキノコ 今村源:2013/8/6~10/27
オディロン・ルドン 夢の起源:2013/6/29~8/25
静岡市美術館へ。今村源「わた死としてのキノコ」展は、エントランスの空間を思い切り使う気持ちのいいインスタレーションである。漫画『悪の華』でも頻出するルドンの展覧会は、岐阜県美術館のコレクションに、作家の地元ボルドー美術館からの出品を加え、ルドンという画家の個性がどう形成されたかを細かく検証する。
写真:わた死としてのキノコ会場風景
2013/08/24(土)(五十嵐太郎)
久留米市総合都市プラザ プレ事業 五十嵐太郎氏特別講演会「文化によるまちづくり」
会期:2013/08/23
えーるピア久留米 視聴覚ホール[福岡県]
久留米では、総合都市プラザ・プレ事業の講演会「文化によるまちづくり」を行なう。あいちトリエンナーレを軸に語ったが、芸術祭の成功をどう判断するかという会場の質問に対し、以下のように回答した。1. 行政レベルでは目標入場者数の達成。2. 個人レベルではテーマの実現度と作品のクオリティ。3. 歴史的には今回の若手作家が将来活躍すること。
2013/08/23(金)(五十嵐太郎)