artscapeレビュー

五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

国際シンポジウム「現代ケンチクの日本」/オープニングシンポジウム「『カタストロフ』という機会─The Opportunity of Catastrophe─」

会期:2013/08/11

愛知芸術文化センター 12階アートスペースA[愛知県]

11日は二連続で国際シンポジウムが行なわれた。「現代ケンチクの日本」はモデレータの渡辺真理さんが、「ARCHITECTURE」の訳語としての「建築」ではなく、いまは世界に発信していく日本独自の「ケンチク」が生まれているのではないかという興味深い仮説を提示したが、時間が足りず、あまりこの議論を展開できなかったのは残念だった。もっとも、アメリカ、ヨーロッパ、アジアから見る日本建築の状況を知ることはできた。
続いて、同じ会場では、ミハイル・カリキスのボイス・パフォーマンスを挟んで、あいちトリエンナーレのテーマに絡めた「カタストロフという機会」のシンポジウムが開催された。筆者はカタログに寄稿する内容を軸に、今回のコンセプトについて語る。連続的に数字を次々に見せる、ジャーによる詩のようなプレゼンテーションはカッコいい。またシンポジウムのプレゼンテーションを通じて、宮本佳明さんの今回の福島第一さかえ原発と、阪神大震災後のゼンカイハウスの共通点に気づいたのも収穫だった。後者は壊れた木造に鉄骨のフレームを挿入、前者も愛知芸術文化センターに原発を転送している。つまり、いずれも異なる建築形式を重ね合わせている。

2013/08/11(日)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ2013 揺れる大地─われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活

会期:2013/08/10~2013/10/27

愛知芸術文化センター、東岡崎会場、松本町会場[愛知県]

実行委員会の岡崎会場視察に同行し、作品を案内する。ユニークな空間をもつ木造アーケードの松本町会場、空きスペースができた百貨店と駅ビル。それぞれに地方の都市ならではの、大都市・名古屋とは違うアプローチを提示することができたと思う。視察の終了後、岡崎から芸文センターへ直行する。オープンの日、ヤノベケンジさんの作品「太陽の結婚式」で最初の結婚式が行なわれ、最初にあいさつの言葉を依頼されていたからだ。ぎりぎり間に合う。やはり、実際の結婚式がなされることで、この空間はさらに魅力を増し、生き生きとする。ちなみに、まだあいちトリエンナーレ期間中の挙式は募集中である。

2013/08/10(土)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ2013開幕! ウェルカムパーティー

会期:2013/08/09

伏見地下街[愛知県]

プレス向けのあいちトリエンナーレ2013の内覧会を迎え、慌ただしい一日となった。午前中は、2時間をかけて愛知県美の10階と8階のプレスツアー、昼過ぎからは記者会見、16時から名古屋市美術館にてプレスツアーと、国際交流基金が招聘した海外キュレータのツアーの案内を行なう。そして18時30分からは、芸文センターの巨大吹抜けにて、全体のオープニング・レセプション。10階の関係者懇談会に出席してから、伏見のウェルカムパーティーへ。打開連合設計事務所が青く染めて、リノベーションを手がけた伏見地下街を使うイベントである。が、あまりに多くの人が集まり、その収容力を越え、急きょアートラボあいちも開放して、深夜までパーティーが続く。

2013/08/09(金)(五十嵐太郎)

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やなぎみわ「案内嬢プロジェクト」

会期:2013/08/09~2013/08/11

愛知芸術文化センター[愛知県]

やなぎみわの「案内嬢プロジェクト」のゲネプロを観劇した。あいちトリエンナーレ2013の紹介から始まり、宮本佳明による福島第一さかえ原発のプロジェクトやパフォーミングアーツがテーマとするベケットなど、さまざまなコンテンツと共鳴し合う。そして原爆投下後、実際に対米放送で流されたラジオ・ドラマを行ない、日本の8月にしかできないことを組み込みつつ、時空を超えて、やなぎの演劇「ゼロアワー」の世界と接続する。最後は吹抜けのエレベータから退場し、愛知芸文センターの空間を見事に活用した内容だった。

2013/08/08(木)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ2013 揺れる大地─われわれはどこに立っているのか:場所、記憶、そして復活

会期:2013/08/10~2013/10/27

愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町会場、納屋橋会場、東岡崎駅会場、康生会場、松本会場[愛知県]

あいちトリエンナーレの設営が進む、名古屋へ。東北大学の五十嵐研チームも、ゴールデンウィークに続き、8名が長者町、愛知芸術文化センター、岡崎のシビコなどの現場に分かれて、設営のサポートに入る。遊撃部隊として人手が足りないところに関わり、オープニングまで、ソ・ミンジョン、マーロン・グリフィス、ケーシー・ウォン、藤森照信、菅沼朋香、スタジオ・ヴェロシティらの作品制作を手伝う。長者町では、アートラボあいちのすぐ近くのビルの一階を、木を用いてリノベーションした、NAKAYOSHIというユニットによるビジター・センター・アンド・スタンド・カフェが登場する。長者町の模型も置き、夜遅くまで営業。あいちトリエンナーレ期間中の限定店舗だが、アーティストやキュレーターらが何度もお世話になったアートカフェである。

2013/08/04(日)(五十嵐太郎)

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