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五十嵐太郎のレビュー/プレビュー

あいちトリエンナーレ2013 パブリックプログラム「あいちトリエンナーレを支える名古屋のデザイン力」公開トークイベント

会期:2013/08/17

ナディアパーク・アトリウム[愛知県]

青森から名古屋へ。ナディアパークで開催された「あいちトリエンナーレを支える名古屋のデザイン力」に登壇する。今回のあいちトリエンナーレで力を入れたデザイン・アイデンティティの創出にどう取り組んだかがテーマだ。国際デザインセンターの江坂恵里子さんの司会で、五十嵐は今回の新機軸、公式デザイナーの廣村正彰さんは今回のロゴとデザイン規定、名古屋チームの平井秀和さんはそれに遊び心を加える試み、藤本康一さんはロゴの形から展開した方向性を語る。

2013/08/17(土)(五十嵐太郎)

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あいちトリエンナーレ連携シンポジウム──テーマ「縄文・東北・環境汚染─3.11以降の美術」

会期:2013/08/16

三内丸山遺跡 竪穴式住居[青森県]

あいちトリエンナーレ連携シンポジウム「縄文・東北・環境汚染─3.11以後の美術」に登壇する。青森県立美術館の飯田高誉さん、いわき市立美術館館長の佐々木吉晴さん、司会の池田亨さんらと、震災後の美術状況をめぐって語る。会場が普通の部屋ではなく、三内丸山遺跡の竪穴式住居なのが、最大のインパクトだった。いわき市立美術館では、コレクションに被害が出たほか、放射線や余震を理由に、幾つかの展覧会がキャンセルとなり、代わって地元のアーティストによる展覧会の企画を立ち上げたという。青森県立美術館とあいちトリエンナーレは、奈良美智、杉戸洋、青木淳、藤村龍至、藤森照信など、双方に所縁のある作家がいることから、こうした連携プログラムが実現した。

2013/08/16(金)(五十嵐太郎)

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青森EARTH2013「すばらしい新世界─再魔術化するユートピア」

青森県立美術館[青森県]

会期:[第1部]2013/6/15~9/1[第2部]2013/7/28~8/25
2016年の国際芸術祭を目指し、二度目の青森EARTH2013「すばらしい新世界ー再魔術化するユートピア」展も同時開催していた。ここでも、三内丸山遺跡の出土品と現代アートが併置される実験的な展示を楽しめる。例えば、縄文の炉と、風間サチコの描く原子炉。あるいは、ストーンサークルのような森万里子の作品。個人的には、これまであまり表に出なかった青森県立美術館の隠れた空間を使う、柳井信乃の展示場所が大発見だった。

2013/08/16(金)(五十嵐太郎)

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三陸復興国立公園指定記念「種差─よみがえれ 浜の記憶」

会期:2013/07/06~2013/09/01

青森県立美術館[青森県]

青森県立美術館の企画展「よみがえれ浜の記憶 種差」を見る。三陸復興国立公園に指定された八戸の種差海岸について、縄文から江戸、近代の歴史資料をみせる博物館的な展示と、リチャード・ロング、笹岡啓子、東山魁夷による美術の展示を組み合わせて紹介する興味深い試み。特に、空からまちを描く、吉田初三郎の鳥瞰図の数々が面白かった。

2013/08/16(金)(五十嵐太郎)

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ままごと「日本の大人」

会期:2013/08/10~2013/08/15

愛知県芸術劇場 小ホール[愛知県]

あいちトリエンナーレの委嘱作品、ままごとの「日本の大人」を観劇した。小6のとき、小学26年生と出会った主人公が32歳を迎え、子どもと大人、過去と現在が交錯する物語である。柴幸男らしいリズミカルで心地よいテンポと、時空が切り替わるときのシンコペーションするような演出がよかった。そして笑いがある。「日本の大人」は、大人と子どもが一緒に見ることを想定しているが、それを大成功させた「モーレツ! オトナ帝国の逆襲」も両世代のツボを配しながら、大人になることの拒否をテーマとする。小6という設定は、マッカーサーが日本人の精神年齢は12歳と言ったことを想起させる。小学26年生のくまのさん=日本なのか。あいちトリエンナーレでは異ジャンルが共振するが、日本/女性とアメリカ/男性のオリエンタリズムからアイデンティティの揺らぎを描く「蝶々夫人」と「ゼロアワー」のように、「日本の大人」は映像プログラムの「playback」と比較できるだろう。この映画も突然大人の姿のまま高校時代に戻り、時空が交錯するからだ。

2013/08/12(月)(五十嵐太郎)

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