artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
アベンジャーズ
会期:2012/08/14
アイアン・マン見たさに映画『アベンジャーズ』を見る。前半の展開はちょっと退屈だったが、結集したアメコミ・ヒーローたちがドンパチとケンカしたり、にぎやかに暴れだす中盤から、それぞれの持ち味が発揮され、盛り上がる。ただ、物語の流れを変えたのはヒーローではなく、彼らのファンであるコールソンが結構重要な役回りになっていた。
2012/08/17(金)(五十嵐太郎)
チェルフィッチュ「女優の魂」
会期:2012/08/17~2012/08/19
STスポット横浜[神奈川県]
STスポット横浜にて、チェルフィッチュの「女優の魂」を見る。岡田利規の原作をもとに、佐々木幸子が一人芝居を行なう。役を奪ったと逆恨みされ、殺された女優がティッシュ箱を片手に、演劇論のような内容を語りながら、身体はそれとは関係なく、空間を絶えず泳ぐようにたちまわる。そして終盤、死後の世界において、生前に会ったことがある自殺したアーティスト崩れの青年との会話を演じて、美術界vs演劇界もコミカルに描く。
2012/08/17(金)(五十嵐太郎)
奈良美智「君や 僕に ちょっと似ている」
会期:2012/07/14~2012/09/23
横浜美術館[神奈川県]
横浜美術館の奈良美智展へ。11年前に同じ場所で彼の個展を見たとき、画家でありながら、空間の使い方の巧さに感心するとともに、女性がグッズ売り場に大挙するコンサートのような風景に心底驚いたことをよく覚えている。今回は空間演出よりも、板、紙、ブロンズなど、いろいろな素材の試みが印象に残る。興味深いのは、企画展が終わり、常設の部屋に入っても、引き続きコレクションのあいだに奈良の作品を混ぜていたこと。
2012/08/17(金)(五十嵐太郎)
「Arts & Life:生きるための家」展
会期:2012/07/15~2012/09/30
東京都美術館 ギャラリーA・B[東京都]
東京都美術館「生きるための家」展を見る。コンペの最優秀になり、実物大の模型がつくられた山田紗子案は応募作のなかでもっとも力強い建築だった。模型の方がスラブの傾斜がきつく、さらに前衛的である。ともあれ、吹抜けにインスタレーションされることを考えると、屋根や壁で塞がれない状態のデザインは相性がよい。応募作を一覧すると、さまざまな若手の亜流と言える作品が並び、本当に今の日本建築の流行をよく反映している。
2012/08/16(木)(五十嵐太郎)
館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技
会期:2012/07/10~2012/10/08
東京都現代美術館 企画展示室1F・B2F[東京都]
庵野秀明の特撮博物館は、CGの時代にあえて手によるモノづくりのおもしろさをストレートに伝える好企画だ。壊されるための建築模型が大量に並ぶ。ただ初期特撮の貴重な資料はあまり残っておらず、展示物も近年が多い。どこかで常設で存在して欲しい内容である。新作の映像『巨神兵、東京に現る』も短編ながら、庵野テイスト全開の鮮烈な印象を残した。これもCGなどに頼らず、特撮の技術を駆使し、後半の展示で紹介している。
2012/08/16(木)(五十嵐太郎)