artscapeレビュー
五十嵐太郎のレビュー/プレビュー
SSD 2012年度春学期 Interactiveレクチャー「境界線上のインテリアデザイン」♯3│SSDハウスレクチャー「最近のインテリアデザインについて」浅子佳英
会期:2012/07/11
阿部仁史アトリエ[宮城県]
今期、せんだいスクール・オブ・デザインのインタラクティブ・レクチャーの枠は、インテリアデザインをテーマに掲げ、その締めくくりとして浅子佳英を迎えた。コムデギャルソンによる店舗デザインの議論は、アーキテクチャ派というべき、いかにもゼロ年代らしい論客の分析装置を使いながら、むしろ突出した「天才」を語るのが興味深い。
2012/07/11(水)(五十嵐太郎)
20世紀日本建築・美術の名品はどこにある?
会期:2012/07/09
彦坂尚嘉が企画するアート・スタディーズの最終回をついに迎えた。20世紀の100年を5年ずつ区切って、全20回で建築と美術を横断する連続シンポジウム+2回の特別編である。2004年11月に第1回が始まり、ついに大団円だ。最終回は豊川斎赫らを迎え、丹下健三とアートについて討議した。これは複数のコメンテーターが登壇するリノベーション・スタディーズのスタイルを継承するシンポジウムの形式をとりながらも、じつは彦坂による壮大なアート・プロジェクトだったと思う。
2012/07/09(月)(五十嵐太郎)
トーマス・デマンド展
会期:2012/05/19~2012/07/08
東京都現代美術館 企画展示室3F[東京都]
トーマス・デマンド展を見る。これまで単体では幾度も彼の作品を見てきたが、現実を再現した紙模型の世界を撮影した写真群を、これだけまとまった量で、この大きさで見ることができたのには意義がある。早速、福島原発の作品も発表されていた。またコマ撮りによる撮影で、揺れる船の室内風景を映像として再現した作品には驚かされる。
2012/07/07(土)(五十嵐太郎)
建築巡回展「3.11ー東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」
会期:2012/07/05~2012/07/22
ソウル歴史博物館[韓国・ソウル]
筆者が企画した「3.11──東日本大震災の直後、建築家はどう対応したか」展は、韓国では4カ所巡回するが、ソウルでは歴史博物館で開催された。リーフレットやパネルはすべてハングルのバージョンをつくり、パリやロシアなど、他の巡回先に比べて、しっかりとした展示デザインになっている。今回、5日のオープニングにあわせてレクチャーを行ない、館長でもある元副市長との会食後、もう一度、博物館に戻り、リニュアルされた展示スペースを見学した。
2012/07/05(木)(五十嵐太郎)
《ソウル新市庁舎》ほか
[韓国・ソウル]
2年ぶりのソウルは、市庁舎の背後にあるガラス棟の増築がほぼ完成していた。筆者が初めてソウルを訪れたのは20年前だったから、旧朝鮮総督府が残っていた風景を覚えており、街の激しい変化がよくわかる。また東大門のザハ・ハディドによる巨大なデザイン・プラザも、工事中とはいえ、ヴォリュームの全容が見えてきた。ただし、現地の建築関係者からの評判は悪い。公開部分は前の訪問時と同じで、ちょうど『星の王子さま』の展覧会を開催していた。川辺の漢江ルネサンス物件は完成している。しかし、新しい市長になり、箱もの事業が減って、風向きは変わったらしい。午後、建築家、アーティストのハン・ウンスクの設計したコンテナを活用したギャラリーを訪問し、不要品を再活用する、これまでの彼の作品について紹介してもらう。
写真:上から、《ソウル新市庁舎》、サハ・ハディド《東大門デザインプラザ&パーク》、ハン・ウンスク設計のコンテナ
2012/07/04(水)(五十嵐太郎)