artscapeレビュー
artscape編集部のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2015年07月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
デジタル・アーカイブとは何か──理論と実践
構築から利活用まで、アーカイブに携わる全ての人へ贈る―
増え続けるデジタル・アーカイブ。何を見せればよいのか。どこを探せばよいのか。混迷の中にいる制作者・利用者のために、積み重ねた知恵と実例。Europeanaの起ち上げ、東寺百合文書のWEB公開、電子図書館、そして国立デジタルアーカイブセンター構想……。新たな仕組みは、ここから生まれる。 [出版社サイトより]
本サイトの「アート・アーカイブ探求」や「デジタルアーカイブスタディ」を担当している影山幸一が「第1部:アーカイブからデジタル・アーカイブへ 忘れ得ぬ日本列島 国立デジタルアーカイブセンター創設に向けて」を執筆しています。
NO MUSEUM, NO LIFE? これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会
2015年6月16日〜9月13日まで開催中の同名の展覧会カタログ。美術館に関連する36のキーワードとその解説、それに沿ってキュレーションされた国内の国立美術館の所蔵品214点の図版を掲載。
LIXIL BOOKLET 鉄道遺構 再発見
2015年6月5日から大阪のLIXILギャラリーでスタートした同名の展覧会のカタログ。
人々の暮らしに欠かせない鉄道は喜怒哀楽を運びながら、時代とともに変化してきた。しかしその変化は、廃線という結果ももたらす。橋梁や隧道、線路など、風景に残る近代遺産は時を経て、私たちに何を語りかけるだろう。往時を旅するように鉄道遺構を巡るとき、新たな価値を見出すのでないだろうか。 [本書より]
ほしい暮らしは自分でつくる ぼくらのリノベーションまちづくり
自分のほしい暮らしは自分でつくる。自分の手と、自分の頭と、自分のお金を使って、リスクを取るからこそリターンもある。この本があなたにとって、自分の本当にほしい暮らしを手に入れるために、少しでも役に立てば嬉しい。[本書より]
collaboration アート/建築/デザインのコラボレーションの場
岡村製作所は2003年からショールームの一角で、建築家と建築以外の領域のクリエイターのペアによる共同展示を行なっている。伊東豊雄×takram design engineering「風鈴」、妹島和世×荒神明香「透明なかたち」、小嶋一浩+赤松佳珠子×諏訪綾子「PARTY PARTY」、青木淳×松山真也「ぼよよん」、平田晃久×塚田有一「Flow_er」、ヨコミゾマコト×上田麻希「白い闇」、古谷誠章×珠寳「波・紋」の7組による展示の記録と対話集。
戦争画とニッポン
美術評論家椹木野衣氏が、90年代に《戦争画RETURNS》を発表している絵描き会田誠氏とともに、日本の戦争画について21世紀の視点から読み直す対談。太平洋戦争以降から現在までの戦争を主題にした作品図版を多数掲載。昭和17年に発表された陸軍派遣画家による鼎談「南方戦線座談会」も再録。
2015/07/15(水)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2015年06月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
小泉明郎 捕われた声は静寂の夢を見る
声にならない声。意識の下に眠る感情。私たちの身体と精神はどのようにして〈人間〉を形作っているのか。独自の映像表現によって〈人間〉の営みを捉え、世界から熱い注目を集めるアーティスト、小泉明郎。アーツ前橋で開催された、小泉の初期作品から近作までを一望する初の本格的個展の図録。[出版社サイトより]
広場 Hiroba:All about “Public spaces” in Japan
隈研吾をはじめとする先鋭のクリエイターの手による独自的な「現代の広場」、また意図を超え、自然に人が集まる「想定外の広場」など様々な事例を紹介、よりよい街・場の作り方、街のつかいかたの一案を提示します。[出版社サイトより]
幻燈スライドの博物誌 プロジェクション・メディアの考古学
早稲田大学演劇博物館が所蔵する写し絵や幻燈のスライドコレクション3,000点のアーカイブ「幻燈データベース」のなかから厳選した350点を所収。2015年4月1日~8月2日に開催中の「幻燈展――プロジェクション・メディアの考古学」と連動している。
アイデア No.370 特集|思想とデザイン
思想を人に伝えるためには、なんらかの素材や形に定着させなければならない。したがって思想は無形のものとしては存在しえず、インターフェイスとしての書物とそのデザインに大きく規定されてきた。またメディアの広がりとともに、思想は活字ではなく音や図像も含めた空間のなかに展開されるようになってきた。時代と共に移り変わってきた思想とデザインの関係に、気鋭の若手研究者、評論家とともに切り込む特集。企画とアートディレクションは、現在、美術・建築・人文系をはじめとする幅広い領域で活躍するデザイナー・加藤賢策(ラボラトリーズ)が担当。[出版社サイトより]
2015/06/12(金)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2015年05月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
MEDIA/ART KITCHEN - Reality Distortion Field - AOMORI ユーモアと遊びの政治学
2013年から2014年にかけて、ジャカルタ、クアラルンプール、マニラ、バンコクで実施された「MEDIA/KITCHEN」展から発展して、2014年7月26日〜9月15日に国際芸術センター青森で開催された展覧会の記録集。参加作家は萩原健一、バニ・ハイカル、堀尾貫太、クワクボリョウタ、毛利悠子、ナルパティ・ワンガa.k.a.オムレオ、レオン・アルティス、プリラ・タニア、チャラヤーンノン・シリポン、ファイルズ・スライマン、竹内公太、田村友一郎。個々の作家が持っているメディア環境と現代社会の関係への意識、また日常生活に根ざし、ユーモアを持った創造力が示されている。
青森市所蔵作品展 歴史の構築は無名のものたちの記憶に捧げられる
2015年2月7日〜3月15日に青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)で開催された同名展の記録集。青森市が所蔵する約15,000点に及ぶ生活用品や民具などを一般に広く公開する目的で、2007年から年に一回展覧会が開催されている。3年前からは、学芸員による企画展ではなく、ACACに滞在するアーティストの視点から、新しく地域の資源を読み直す展覧会がつくられている。今回は映画監督/美術家の藤井光による、明治から昭和の高度経済成長期にかけての東北で、日本という国が形成されてきたさまを収蔵品からあぶり出し、アーカイブ・博物館の本質をも再考する展覧会が開催された。
山口小夜子──未来を着る人
2015年4月11日〜6月28日、東京都現代美術館で開催している同名展のカタログ。70〜80年代のトップモデル時代、資生堂の専属モデル時代の写真のほか、さまざまなジャンルのクリエイターとコラボレートした記録が掲載されている。また、彼女と協働し、影響を与え合った多彩な顔ぶれによる山口小夜子論が展開されている。
他人の時間|TIME OF OTHERS
崔敬華、橋本梓、ミッシェル・ホー、ルーベン・キーハンの4人のキュレーターの企画展「他人の時間」のカタログ。アジア・オセアニア地域の現代作家18名の作品をとおして、理解できない隔たりを持った「他人」とのつながり、その分断とは何かを問い直す企画展。出品作家は、キリ・ダレナ、グレアム・フレッチャー、サレ・フセイン、ホー・ツーニェン、イム・ミヌク、ジョナサン・ジョーンズ、河原温、アン・ミー・レー、バスィール・マハムード、mamoru、ミヤギフトシ、プラッチャヤ・ピントーン、ブルース・クェック、下道基行、ナティー・ウタリット、ヴァンディー・ラッタナ、ヴォー・アン・カーン、ヤン・ヴォーなど。2015年4月11日〜6月28日、東京都現代美術館で、7月25日〜9月23日、国立国際美術館で開催。
シンプルなかたち:美はどこからくるのか
パリ・ポンピドゥーセンター・メスとの共同企画の展覧会の公式カタログ。「シンプルなかたち」として、古今東西の名品から選りすぐった130点に日本独自の展示物60点が加えられている。
2015/05/12(火)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2015年04月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
アートプロジェクトのつくりかた 「つながり」を「つづける」ためのことば
本書は、年々全国各地で増えつつある「アートプロジェクト」の実態、運営サイドの様子がわかる「実践的」な一冊となっています。一見小難しそうに見える「アートプロジェクト」をどうすればはじめられるか、何か「プロジェクト」をはじめたいNPO や公共団体・民間企業でも参考になるような、モノ・ヒト・コトの動かし方を具体的に示しています。[出版社サイトより]
Magazine for Document & Critic AC2[エー・シー・ドゥー] 16号(通巻17号)
国際芸術センター青森が、2001年の開館以来、およそ毎年1冊刊行している報告書を兼ねた「ドキュメント&クリティック・マガジン エー・シー・ドゥー」の第16号(通巻17号)。2014年度の事業報告とレビューのほか、関連する対談や論考などを掲載。今号の特集は東南アジアのアートシーン、國府理展「相対温室」ほか。
せんだいスクール・オブ・デザイン 2010-2014年度報告書
せんだいスクール・オブ・デザイン(SSD)の2010〜2014年にわたる最初の5年間の活動報告書。
青森EARTH 2014
青森の大地に根ざしたアートの可能性を探求して行くプロジェクト、「青森EARTH」のカタログ。2014年度は、青森ゆかりの画家・豊島弘尚(1933-2013)を追悼する「第1部=追悼・豊島弘尚 彼方からの凝視」、青森の縄文を代表する遺稿の一つ「環状列石(ストーンサークル)」を切り口に縄文と現代の接点のありかを問う「第2部=縄目の詩(うた)、石ノ柵」の二部構成にて開催された。
「思索雑感/Image Trash」2004 - 2015:校正用ノート
本書は「東京アートポイント計画」のリサーチプログラム「Tokyo Art Research Lab」の一環として実施している「アートプロジェクトの『言葉』を編む」の一環として制作されました。[本書より]ブログ「Report藤浩志企画制作室」のカテゴリ「思索雑感/Image Trash」をもとに作成されている。
金沢の町家──活きている家作職人の技
建築における伝統技術がいかに保存され継承されているか。その実例を加賀百万石の城下町、金沢の町家から探る。町家とは一般的に商人の専用住宅または職住併用の住宅のことをいい、伝統の技を生かした木造建築物である。幸いにも金沢は戦災や震災に遭うことがなかったために、今も古い町家が数多く残り、それらは金沢の歴史的資産として修復・再利用されている。[出版社サイトより]
長谷川豪 カンバセーションズ ヨーロッパ建築家と考える現在と歴史
現代建築は先の見えにくい状況が続いている。皆で共有できる明確な課題がない時代であるといわれる。そうした状況下においてヨーロッパの建築家が、なにを根拠に建築をつくろうとしているのか。長谷川豪がスイスの建築大学で設計スタジオを持っていた間、いま現代建築をつくることと、歴史に向かうこととの関係をいかに捉えているのか、をヨーロッパの建築家に問うた。2013年7月から2014年5月にかけて計6本の対話が収録され、この本にまとめられた。
あなたと どこでも アート/小さな家プロジェクト記録集
埼玉の公立ミュージアム5館が連携し、美術館内でのプログラムにとどまらず、公園や商店街、文化財建築から廃工場、まちなかのアートスポットまで、さまざまな場所でアートの新たな楽しみ方を提案してきたプロジェクト、「あなたと どこでも アート/小さな家プロジェクト」の記録集。
2015/04/10(金)(artscape編集部)
カタログ&ブックス│2015年03月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
現代日本写真アーカイブ 震災以後の写真表現2011-2013
「写真は東日本大震災をどう引き受け、いま何ができるのか――美術館から画廊、小さなアトリエまで、足で回って写真作品を実際に鑑賞し、それを紹介・批評した450を超える「震災後の写真」の記録3年分を所収する。現代日本写真を知るための「読む写真事典」。」 [出版社サイトより] 初出は当サイトの「artscapeレビュー」欄。
後美術論
『美術手帖』2010年11月号から連載されている美術評論家・椹木野衣による評論『後美術論』のうち、14回分を収めている。後美術(ごびじゅつ)とは、美術や音楽といった既成のジャンルの破壊を行なうことで、ジャンルが産み落とされる前の起源の混沌から、新しい芸術の批評を探り当てる試み。
PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015
京都で初めてとなる大規模な現代芸術の国際展PARASOPHIAのカタログ。4種類のカバーデザイン、350ページにおよぶ作られたカタログには膨大なテキストが収められているが、そのほとんどは既出のテキストで、いわば作家とキュレトリアルチームの共同作業から生まれたアンソロジー。展示会場の順序とは異なる構成で、本というメディアを使った展示が試みられている。
キュレーションの現在 アートが「世界」を問い直す
さまざまな領域で使われるようになり、広く知られるようになった「キュレーション」という言葉。アートの世界でも学芸員に限らず、インディペンデント(独立系)のキュレーター、アーティストや批評家によるキュレーション、国際展や地域のアートプロジェクトの活発化、ゲスト・キュレーター制の浸透といった状況の変化により、方法も担う役割も多様化してきました。本書はゼーマン以後のキュレーションの歴史から始まり、まさに「いま」最前線を走っている方々の、生の声を収録した一冊となっています。本書に集められた言葉は、キュレーションの「いま」を表すだけでなく、必然的にその未来の行方を指し示すものとなるでしょう。[出版社サイトより]
展覧会のグラフィックデザイン
ポスター、チラシなど展覧会の宣伝物には個性的なデザインや凝った印刷加工が多く、デザインの現場で参考になる要素が詰まっています。100 点超の事例からデザインの工夫を解説します。[出版社サイトより]
なnD 3
雑誌「なんとなく、クリティック」「nu」「DU」の編集人3人による「なnD 3」の3号目。この冊子は、普段はそれぞれの仕事をしている3人が、「なnD」欲が湧き上がってきたときに1週間くらいで集中して作られている。これは、雑誌とも書籍ともZINEとも異なるナニモノかを発明しようとする密かな実験の場でもある。
2015/03/12(木)(artscape編集部)