artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
[シンガポール]
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを見下ろしてから、地上に降りてエリア内に入る。浮遊する巨大な子どもの作品など、現代アートをまぶした巨大な植物園だ。が、なんと言っても人工巨木のスーパーツリーが林立する風景が印象的である。これもキッチュだが、アイコンとしては成功している。残念ながら、今回の滞在では、LPAがデザインしたここの夜景を体験しなかったが、夜にも訪れるべきだった。
2017/06/14(水)(五十嵐太郎)
リトル・インディア
[シンガポール]
リトル・インディアは、テッカセンターの市場、スリ・ヴィラマカリアマン寺院、タン・テンニアの邸宅跡など。極彩色の装飾やカラフルな色使いが特徴となる街並みだった。そしてどこからともなく匂いが漂う香料がインドらしさを醸し出す。
写真:左上から=テッカセンターの市場、スリ・ヴィラマラリアマン寺院 右2枚=タン・テンニアの邸宅跡
2017/06/13(火)(五十嵐太郎)
伊東豊雄《ビボ・シティ》
[シンガポール]
日本では高層ビル、タワーマンション、大型商業施設をアトリエ系の建築家が手がけることは絶対にないが、シンガポールではまったく状況が違う。伊東豊雄による《ビボ・シティ》は、丸みを帯びたショッピング・モールだが、基本的には天ぷら建築である。日本で雑誌を見ると目くじらを立てるかもしれないが、向かいの島はテーマパーク群だし、まあそんなものかと思わせる雰囲気だ。確かに、このエリアは人工的な楽園の環境であり、同じ天ぷら建築でも《ビルバオ・グッゲンハイム》の方が、周辺環境との文脈はつくりやすい。
2017/06/13(火)(五十嵐太郎)
セントーサ島
[シンガポール]
セントーサ・エクスプレスに乗って、対岸の島に上陸する。ユニバーサル・スタジオや水族館、アドヴェンチャー・コーブ・ウォーターパークなど、各種のポストモダン的なアトラクションだらけのリゾート地である。島全体がエンターテイメントの場所として人工的に計画・開発されている。ダニエル・リベスキンドのコンドミニアムも、この水際から眺めるのがベストショットだった。セントーサ島で笑っちゃうのが、丘をのぼって、島の中心部にそびえたつ高さ37mのセントーサ・マーライオンである。マーライオンを巨大化したものだ。リゾートワールド・セントーサはいわば借り物のデザインだが、これはシンガポールのオリジナルである。強力なアイコン建築ゆえに、スケールレス感が際立つ。日本で言えば、巨大仏像がこれに近いだろうか。
写真:左上から=セントーサのモール、アドヴェンチャー・コーブ・ウォーターパーク、ホテル 右上から=セントーサ・マーライオン、水族館
2017/06/13(火)(五十嵐太郎)
シンガポール現代建築─リベスキンド、ザハ・ハディド、OMA
[シンガポール]
その後、サークル線に沿って、各地の現代建築を見学する。いずれも遠景から眺めたが、リベスキンドの《レフレクションズ・アット・ケッペル・ベイ》、オレ・スケーレンによる《インターレース》、ザハ・ハディドの《ドリードン・コンドミニアム》は高層の集合住宅なのに、強烈な造形だ。ほかにホランド・ヴィレッジの《ラッフルズ・ホランドV》、ブオナ・ヴィスタの《ザ・スター》、黒川紀章の《フュージョノポリス》、コンテナ利用のティンブレ・プラスなども立ち寄る。どれもこれも、いまの日本だと怒られそうなインパクト重視の外観だ。難を言えば、フォトジェニックだけど、空間があまりないことか。ともあれ、超人工的な景観と豊かな自然が共存するのが、21世紀のシンガポールだ。
写真:左上から=《レフレクションズ・アット・ケッペル・ベイ》《インターレース》《ドリードン・コンドミニアム》 右上から=《フュージョノポリス》《ラッフルズ・ホランドV》《ザ・スター》
2017/06/13(火)(五十嵐太郎)