artscapeレビュー

伊東豊雄《ビボ・シティ》

2017年07月15日号

[シンガポール]

日本では高層ビル、タワーマンション、大型商業施設をアトリエ系の建築家が手がけることは絶対にないが、シンガポールではまったく状況が違う。伊東豊雄による《ビボ・シティ》は、丸みを帯びたショッピング・モールだが、基本的には天ぷら建築である。日本で雑誌を見ると目くじらを立てるかもしれないが、向かいの島はテーマパーク群だし、まあそんなものかと思わせる雰囲気だ。確かに、このエリアは人工的な楽園の環境であり、同じ天ぷら建築でも《ビルバオ・グッゲンハイム》の方が、周辺環境との文脈はつくりやすい。

2017/06/13(火)(五十嵐太郎)

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