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建築に関するレビュー/プレビュー

考古資料展示開催記念対談 松木武彦×五十嵐太郎「先史のメディア論」

会期:2016/06/06

東北大学トンチクギャラリー[宮城県]

朝日新聞の書評委員会で松木武彦『美の考古学』に最優先の花丸をつけたにもかかわらず、担当をとれなかったために本を購入したのだが、五十嵐研の縄文展示プロジェクトを担当する学生に推薦したら、読書会が盛り上がり、とうとう著者を招く企画が実現した。松木は、文字がない時代ゆえに、土器や石斧などのモノと徹底的に対峙し、人間の普遍的な認知パターンと絡めて、当時の思考を読みとく。上部構造から歴史をとらえ返す試みでもある。彼の考え方は、デザイン、建築、アートの関係者にとっても興味深いだろう。

2016/06/06(月)(五十嵐太郎)

《昭和女子大学附属昭和こども園》

[東京都]

竣工:2015年

納谷兄弟による《昭和女子大学附属昭和こども園》を見学する。大学のなかに位置するものだが、待機児童問題の時節柄、企画の途中で入園する想定人数が増えたらしい。長い歴史をもつ旧施設の記憶を断片的に散りばめながら、2階に持ち上げたランドスケープ的な園庭を置く都心型の施設である。室内は曲面を強調しつつ、全体が流動的につながった空間だ。一方、キャンパス内の立地を意識し、建物の正面は大階段で軸線を受け止める。

2016/06/04(土)(五十嵐太郎)

ポール・スミス展 HELLO,MY NAME IS PAUL SMITH

会期:2016/06/04~2016/07/18

京都国立近代美術館[京都府]

ファッションの展覧会といえば、歴代のコレクションがズラリと並ぶ服飾展を連想するのが当然だ。しかし本展の主役は、イギリスを代表するファッション・デザイナーであるポール・スミス自身。彼が10代の頃から収集してきた約500点もの美術品や、雑然としたオフィスやデザインスタジオ、わずか3メートル四方の第1号店などの再現、一風変わった郵便物、自身の頭の中をテーマにした映像インスタレーション、ストライプのカラーリングを施したミニ(自動車)とトライアンフ(バイク)などが並び、歴代コレクションは最後にやっと登場するといった具合だ。展示総数は約2800点。あまりにも数が多くて集中力が続かないほどだが、ポール・スミスの人柄は確かに伝わった。きっと彼は、デザイナーである以上に、プロデューサー体質なのだろう。でなければこんな展覧会は実現しない。記者発表には本人も出席し、気さくなリアクションを連発していたのが印象的だった。その席で英国のEU離脱問題について彼がどう考えているか聞きたかったが、タイムオーバーで質問できなかったのが残念だ。

2016/06/03(金)(小吹隆文)

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相田武文 展

会期:2016/05/23~2016/05/29

建築家会館 大ホール[東京都]

会場の空間を大きな積み木の組み合わせで構成しつつ、1970-80年代の積木の家シリーズ、渋谷の都市建築のファサードのデザイン・サーヴェイ、「AIDA BLOCK」セット、ワークショップの成果などを紹介する。現代の風潮と違い、建築に明快な自立的形態が存在する強さを感じる。

2016/05/27(金)(五十嵐太郎)

AGC studio Exhibition No.17 U-35 Young Architect Japan. 多様な光のあるガラス建築展

会期:2016/04/21~2016/07/16

AGC studio 1階エントランスギャラリー[東京都]

京橋のAGC studioにて、昨年のU-35メンバーによる「多様な光のあるガラス建築」展を見る。今回は高濱史子の提案が最優秀賞に選ばれ、湾曲する極薄のガラスで自立する小さなパビリオンを会場内に建設していた。

2016/05/27(金)(五十嵐太郎)