artscapeレビュー
考古資料展示開催記念対談 松木武彦×五十嵐太郎「先史のメディア論」
2016年07月15日号
会期:2016/06/06
東北大学トンチクギャラリー[宮城県]
朝日新聞の書評委員会で松木武彦『美の考古学』に最優先の花丸をつけたにもかかわらず、担当をとれなかったために本を購入したのだが、五十嵐研の縄文展示プロジェクトを担当する学生に推薦したら、読書会が盛り上がり、とうとう著者を招く企画が実現した。松木は、文字がない時代ゆえに、土器や石斧などのモノと徹底的に対峙し、人間の普遍的な認知パターンと絡めて、当時の思考を読みとく。上部構造から歴史をとらえ返す試みでもある。彼の考え方は、デザイン、建築、アートの関係者にとっても興味深いだろう。
2016/06/06(月)(五十嵐太郎)