artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

内藤廣《JR高知駅》ほか

[高知県]

日本建築家協会四国支部大会2016「その日のためのまちと建築」の基調講演を行なうために、高知へ。以前、Rizzoliからルイ・ヴィトン本の原稿を依頼されて、乾久美子の手がけた店舗を訪れて以来だから、8年ぶりの訪問である。が、ルイ・ヴィトンは撤退し、当初の面影がない改造がなされたようだ。一方、《高知駅》は内藤廣の設計によるダイナミックな建築に姿を変えていた。彼らしい架構形式が空間と表情をつくっている。

写真:《高知駅》

2016/05/21(土)(五十嵐太郎)

みんなの建築ミニチュア展

会期:2016/05/20~2016/06/10

オリエ アート・ギャラリー[東京都]

筆者がプロデュースしたオリエ アート・ギャラリーの「みんなの建築ミニチュア」展にて、オープニング・レクチャーを行なう。登壇者は、斎藤公男、橋爪紳也、磯達雄、遠藤秀平。1時間弱で終わると思いきや、語り出すと、それぞれにミニチュアを集めた想いや志向性がさまざまで、いくらでもネタは尽きない、面白自慢話大会となった。最終的に展示品の総数は約450となった。この展覧会、秋には大阪に凱旋する予定だが、数のうえでもテーマにおいても、まだまだ発展できそうである。なお、東北大学の五十嵐研で制作した、ほとんどの出品作の写真や出品者による解説を掲載した12ページのタブロイド紙も、期間中、会場で無料配布される。

2016/05/20(金)(五十嵐太郎)

山﨑健太郎 展「今、建築にできること。」

会期:2016/05/13~2016/06/24

プリズミックギャラリー[東京都]

傾斜地を活かした、遊戯的で楽しい段状の内部空間をもつ「はくすい保育園」ほか、高齢者、認知症患者、こどもの施設のプロジェクトが展示されており、ビルディングタイプに特性が認められる。

2016/05/20(金)(五十嵐太郎)

迎賓館・赤坂離宮

[東京都]

竣工:1909年

取材で迎賓館・赤坂離宮を3時間かけて見学する。片山東熊にとって、まだデザインを悩んでいたであろう奈良や京都の国立博物館に比べると、やり切った感が強い。なるほど大枠ではネオ・バロックの様式だが、細部の重合や変形はきわめてマニエリスティックな操作のように思える。さらに当時流行したゼツェッション的な部分も見受けられるのは興味深い。今回の見学では、1960年代の昭和の改修のときに、村野藤吾によるモダンな介入が室内外ともに重要だったこともよくわかった。

写真:左=上から、《赤坂離宮》外観、中央階段、玄関ホール 右=上から2つ、外観、村野藤吾が手掛けた絨毯

2016/05/20(金)(五十嵐太郎)

三分一博志展 風、水、太陽

会期:2016/04/15~2016/06/11

TOTOギャラリー・間[東京都]

地球と建築の関係を読みとき、空気や水などを建築の「動く素材」ととらえる彼の思想を表現する内容であり、ブレがない。広島や瀬戸内海の作品の映像や空気の流れをチェックする模型などを展示する。彼らしくストイックな構成だ。中庭では、水をはって、風や太陽を感じるインスタレーションを設置していた。

2016/05/19(木)(五十嵐太郎)

artscapeレビュー /relation/e_00034673.json s 10124484