artscapeレビュー
建築に関するレビュー/プレビュー
ロームシアター京都
[京都府]
香山壽夫が再整備にかかわったロームシアター京都へ。やはり遠くから見るとフライタワーが突き出ている部分は、元の前川國男の京都会館とぶつかるヴォリューム感である。ただ、近づくと、やはりリノベーションならではの不思議な空間が発生しており、面白い建築である。むしろ驚いたのは、蔦屋書店+スタバ、コンビニ、おしゃれレストランの存在だった。これが21世紀の公共施設の姿になっていくのだろうか?
2016/01/31(日)(五十嵐太郎)
座談会「フクシマや難民を前に、芸術に何ができるか」
会期:2016/01/30
ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川[京都府]
司会は小崎哲哉がつとめ、滞在制作中の美術家や建築家ら、チンポムの卯城竜太らとトークを行なう。社会、原発、メディア、個人としてのアーティストなど、さまざまな話題が展開し、終了後も懇親会、二次会において、日本とドイツの互いの事情で意見交換が続く。
2016/01/30(土)(五十嵐太郎)
ハワイに高知城をたてた男 奥村多喜衛展
会期:2015/12/08~2016/02/10
ハリス理化学館同志社ギャラリー[京都府]
京都へ。久しぶりに同志社大の構内を歩く。近代建築が残り、日本らしからぬ、西洋のキャンパスのような雰囲気だ。目的は「ハワイに高知城をたてた男 奥村多喜衛」展。同大を卒業し、布教で向かった異国に、故郷の高知城型の教会を建設した男の生涯をたどるものだ。筆者の本でも触れたことがある建築だが、展覧会では模型も見ることができた。
写真:同志社大学ハリス理化学館
2016/01/30(土)(五十嵐太郎)
フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション
会期:2016/01/01~2016/02/14
森ビルのフォスター展は、半世紀の活動を包括的に振り返る充実した内容と模型群だった。巨大な事務所ゆえに可能だが、彼の仕事はいまなお建築デザインが表層の操作に止まらず、構築的なレベルで未来を開く可能性を感じさせる。しかも、過去の歴史建築ともつきあいながら、一定の成果を出す。ただ、展望フロアの余白に作品が置かれているのは、かわいそうだった。
2016/01/23(土)(五十嵐太郎)
壽初春大歌舞伎
会期:2016/01/02~2016/01/26
[東京都]
竣工:2013年
東銀座の新しい歌舞伎座の内部空間を初めて体験する。安定感あるデザインは、隈研吾ならではだ。に比べても、かなり横長の舞台であり、西洋の垂直性が強い劇場と全然違う。演目の「廓文章」は、放蕩息子が久しぶりに再会した遊女と痴話喧嘩と仲直りするのだが、最後はちょうど勘当が解かれ、親から身請け金がもらえてハッピーのすごい話である。
2016/01/22(金)(五十嵐太郎)