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建築に関するレビュー/プレビュー

JIA東北住宅大賞2014 第2次審査《雪谷の家》

会期:2015/03/09~2015/03/11

[青森県]

今度はむつー弘前の移動で、三時間。最近、常連となった蟻塚学による《雪谷の家》を見学する。以前に大賞をとった住宅が五軒隣で、大賞がきっかけで依頼されたという。太陽光パネルの使用、雪を外に落とさない、自動車三台、角地の与条件に対し、門型の駐車棟と細長い住宅を平行に配置し、あいだに雪を落とす巧みな解答である。
三日間の朝から夜の飲みまで完全拘束は大変だが、現場を訪れないとわからないことが多いのが、建築の面白いところだ。JIA東北住宅大賞は、一次審査で落ちた人にも必ず発表と質疑の場がもうけられており、なるべく多くの人が参加してよかったと思えるようにと考えられたシステム(審査員が恨まれない、ということでもある)。一緒に審査している古谷誠章がつくったものだが、このモデルは、愛知や四国の地域などでも、採用されるようになった。

2015/03/10(火)(五十嵐太郎)

JIA東北住宅大賞2014 第2次審査《光の家/Silent water》

会期:2015/03/09~2015/03/11

[青森県]

審査の二日目は、福島ー仙台ーむつと、まずは4時間半近い移動で、松浦良博が設計した《光の家》に向かう。道路側で地面に届かんばかりにおじぎするように折れ曲がる屋根は、風が強い地域において防御しつつ、壁との隙間に独特の場をつくる。室内からは、光、風、雪の情景を反射する水をはった中庭を見せる。

2015/03/10(火)(五十嵐太郎)

JIA東北住宅大賞2014 第2次審査《方木田の家》

会期:2015/03/09~2015/03/11

[福島県]

福島市内の住宅街へ。菊地進による《方木田の家》を見学する。施主が古い建具を大量にコレクションしており、それらを随所に組み込みながら設計されていて、ミュージアムのようでもある。テイストは純和風でもなく、白いピアノを中心に昔の洋館のようなパーツも多く、建築家だけではつくれない独特の雰囲気だった。

2015/03/09(月)(五十嵐太郎)

JIA東北住宅大賞2014 第2次審査《CAVE》

会期:2015/03/09~2015/03/11

[福島県]

福島の二本松へ。安斎好太郎による《CAVE》を訪れる。祖母から受け継いだ農地に根づくような家だ。傾斜地を削るが、その土を使うワークショップで、日干しレンガをつくって壁として積む。一方、室内は端材を組み合わせた壁で分割しつつ、3つの可動の大きな什器空間がワンルームを仕切る。奥に続く斜めの壁が面白い。

2015/03/09(月)(五十嵐太郎)

JIA東北住宅大賞2014 第2次審査《牛飼いの家》

会期:2015/03/09~2015/03/11

[福島県]

郡山に移動し、さらに車で1時間弱の農村集落へ。三瓶一壽による《牛飼いの家》を見学する。敷地内のしだれ桜越しに阿武隈山系の移ヶ岳を望む、地方ならではの住宅だ。牛舎、作業小屋などに囲まれた伝統的な民家の外観だが、陶芸家による棟飾り、墨汁塗布の天井、煤竹の再利用などの意匠を凝らす。

2015/03/09(月)(五十嵐太郎)