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建築に関するレビュー/プレビュー

竹山聖《サードミレニアムゲート》

[長野県]

竣工:2001年5月

竹山聖の《サードミレニアムゲート》は、名前のとおり、世紀の変わり目に竣工したプロジェクトで、角地のランドマークとなる強く、激しい造形だ。そして松本城を背景にゼミ合宿の記念写真を撮影する。近年、急激に増えていると聞いたが、松本では、外国からの観光客が多いことに驚かされる。

写真:上・中=《サードミレニアムゲート》、下=《松本城》

2015/04/17(金)(五十嵐太郎)

立石清重《旧開智学校》

[長野県]

竣工:1876年

松本市内に戻り、《旧開智学校》へ。久しぶりに訪れたが、入魂というべき濃密な装飾で覆われた造形に、当時のこの建築への意気込みがうかがえる。

2015/04/17(金)(五十嵐太郎)

内藤廣《安曇野ちひろ美術館》

[長野県]

竣工:1997年

続いて、内藤廣による《安曇野ちひろ美術館》へ。背景に山々のシルエットが見え、切妻の屋根が並ぶアウトラインと見事に呼応している。三角屋根をヴォールトに置き換えると、ルイス・カーンのキンベル美術館のような空間の構成であり、サブのスペースを間に挟みながら、シンプルな矩形のヴォリュームを多様な用途に振り分ける方法も共通している。すでに増築されているが、今後も、このエリアに内藤による建築群が増えるようだ。

2015/04/17(金)(五十嵐太郎)

今井兼次《碌山美術館》

[長野県]

竣工:1958年

松本のゼミ合宿で、隣の安曇野市にある今井兼次の《碌山美術館》へ。外観は厚い壁の教会のような、北欧的なロマンティシズムあふれる建築である。ドアまわりの装飾も、今井らしい。ただ、展示空間として使われる内部のデザインが、外部とかなり断絶している。ここには今井以外の手による複数の棟が存在している。地方ゆえに、余裕のある展示空間はもっと効果的に生かせそう。

2015/04/17(金)(五十嵐太郎)

宮本佳明《真福寺客殿》《澄心寺庫裏》

[長野県]

竣工:2013年/2009年

五十嵐研のゼミ合宿で、長野をまわる。宮本佳明が設計した《真福寺客殿》は、本堂の入母屋+唐破風の屋根と連なる、コンクリートによる地形のような白い屋根が特徴だった。一見、現代的なデザインの覆いだが、そっと屋根をつまみ上げるようなイメージで操作された形態は、入母屋や唐破風的なイメージを重ね合わせ、伝統の再解釈となっている。続いて、同じく宮本が手がけた《澄心寺庫裏》を見学した。実は、この建物のコンペの審査員を担当し、一次審査のときから宮本案を推していたが、ようやく完成した建築を訪問する機会を得ることができた。これもコンクリートの屋根がメインの建築だが、もっとシンボリックで大きな白い屋根であり、宗教建築として変わらないアイデンティティを担う。一方、屋根の下の居住部分は、時代に合わせて変化することを前提とした木造だ。

写真:上2枚=《真福寺客殿》、下2枚=《澄心寺庫裏》

2015/04/16(木)(五十嵐太郎)