artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

ロボットレストラン

[東京都]

新宿のロボットレストランに行く。ざっと会場を見たところ、観客は9割以上が西洋人。アジア系が少しいて、日本人はわずかである。なるほど、ロボットとセクシーな女性という組み合わせで、テクノ(本当はローテクだが)・オリエンタリズム全開のエンターテイメントだ。てんこ盛りのコンテンツで、御輿や衣装などのデザインは、過剰装飾のお祭りバロック・テイスト、ヤンキー文化論的にも興味深い。細長い地下空間をフル活用する舞台と座席の異常に密接した関係も絶妙である。

2015/04/04(土)(五十嵐太郎)

《JR神田万世橋ビル》《マーチエキュート 神田万世橋》

[東京都]

JR神田万世橋ビルとその手前の mAAch マーチエキュートを散策する。後者はみかんぐみが手がけたもの。万世橋の古い高架下を活用し、飲食店などが入る。ヨーロッパにあるようなリノベーションが、日本でもようやく普通になった。上部には2つの線路に挟まれた細長く、透明なカフェがあり、両側を電車が通る不思議な体験を味わえる。

写真:《マーチエキュート 神田万世橋》

2015/03/26(木)(五十嵐太郎)

だれも知らない建築のはなし: Inside Architecture -A Challenge to Japanese Society-

ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展2014を契機に制作された石山友美監督のドキュメント『だれも知らない建築のはなし』の試写会へ。その内容は、大阪万博後の1970年代、ポストモダンの興隆、熊本アートポリスのプロジェクト、バブル後と現在の構成となっている。日本の現代建築史を磯崎新、伊東豊雄、安藤忠雄、レム・コールハース、ピーター・アイゼンマン、チャールズ・ジェンクス、二川由夫らが語る。ポイントのひとつが、建築家と社会の関わりという意味では、金沢21世紀美術館の「3.11以後の建築」展へのイントロとしても鑑賞可能だろう。個人的には海外からの日本へのまなざしや異文化のディスコミュニケーション、そして1980年代バブルの日本がもっていた熱いエネルギーが面白かった。また磯崎が早い時期に、伊東、安藤の二名を高く評価していた目利きぶりにも改めて感心させられるし、ある程度、建築をすでに知っている人はかなり楽しめる。ドキュメント映画として、ハードルを下げる妥協をせず、初心者はわからない固有名詞が多いかもしれないが、多くの人がこれを見て、是非80年代に興味をもってほしい。

2015/03/26(木)(五十嵐太郎)

東京都新宿区西戸山

[東京都]

久しぶりに、西戸山の集合住宅と東京グローブ座の付近を歩く。磯崎新が設計に関与し、バロック広場、ルネサンス広場、円形劇場など、歴史的な形態言語の数々を用いている。学生の頃、流行ったデザインなので懐かしくなる。

2015/03/20(金)(五十嵐太郎)

《剣潭駅》

[台湾台北市]

ど派手な造形の《剣潭駅》へ。この駅前に現在、OMAによる《台北パフォーミングアーツセンター》を建設中である。5年前くらいに台湾で、巨大な球体が印象的なコンペ案の模型展示を見たが、骨組みはもうほぼ出来上がり、全体のヴォリューム感がわかる。OMAらしいアイコン性に富む。台中はオペラハウス、高雄はメカノのプロジェクトがあり、都市間競争が各地で個性的な建築を生み出している。

写真:上=《剣潭駅》 下=建設中の《台北パフォーミングアーツセンター》

2015/03/17(火)(五十嵐太郎)