artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

《univ.church》、《Chungha BUILDING》

[韓国、ソウル市]

Lee EunseokのChongsin の《univ.church》と、MVRDVの《Chungha BUILDING》(2013)を見学した。いずれもリノベーションであり、古い躯体に新しいマスク=仮面をかぶせて外観を一新している。ただし、内部空間の介入が少ないのが物足りない。後者は周辺にブランド建築が多く、街並みが刺激的だった。



univ.church


記事左上:Chungha BUILDING

2014/11/28(金)(五十嵐太郎)

東大門デザインプラザ

[韓国、ソウル市]

ソウルのザハ・ハディドが設計した《東大門デザインプラザ》(2014)を訪れる。部分オープンしたものを2010年に見たときの評価は最悪だったが、全体像を見て印象は良くなった。彼女らしいダイナミックな空間で、多くの観光客も集まる、新しい都市のランドマークになっている。他のザハ建築と同様、とくに屋内外の通路、やたら天井高のある螺旋のスロープ、階段などの動線が徹底的に見せ場となっている(ショートカットせず、空間の体験を強いるべく無理矢理長く歩かせられるのだが)。ただし、逆に展示空間は弱い。4階の子供向け常設も、彼女の空間と無関係の展示デザインである。ザハの場合、移動の空間が魅力的なのだから、空港や駅など、交通施設の相性が良いだろう。デザインミュージアムは常設のコレクション展示がなく、コンテンツがまだスカスカの印象だった。内部への自然光が少ない。リベスキンドのユダヤ博物館と同様、展示がないときが、一番カッコよいタイプの空間である。夜の表情を確認すべく再訪したら、内からの光の演出をやりたかったので、開口を減らしたのかとも思った。夜も人気は絶えず、特にカップルが多い。ある意味でコンテンツがなくても、空間の力だけでこれだけの集客があるのは凄いことだ。


2014/11/27(木)(五十嵐太郎)

虎ノ門ヒルズ

[東京都]

日本設計が手がけた《虎ノ門ヒルズ》(2014)に立ち寄る。道路上に建設され、下を環状二号線が貫通する実験的な巨大開発のプロジェクトだ。トンネルの勾配にあわせ、人工の傾斜地がうまれ、これを巧みに利用しながら、屋内外に広場やストリートの感覚を持ち込む。ちょうどジャウメ・プレンサや谷尻誠のインスタレーションを設営中だった。

2014/11/26(水)(五十嵐太郎)

AGC studio Exhibition No.12 社会との関わりを見詰める建築模型展「新しい建築の楽しさ2014」展、地球の音楽展

AGC studio 1階エントランス ギャラリー[東京都]

京橋AGC STUDIOの「新しい建築の楽しさ2014」展へ。社会との関わりを考える建築模型の若手グループ展である。薄い透明な面を無数の細い柱で支える、萬代基介の夢のような展示台が素晴らしい。ここのすぐ近くのATELIER MUJI「地球の音楽展」も、彼の会場デザインである。透明な球の群が浮かぶ、インスタレーションだ。彼は石上純也のテイストを受け継ぎながら、愛知県のスタジオ・ヴェロシティとは異なる展開をしている。

AGC studio Exhibition No.12 社会との関わりを見詰める建築模型展「新しい建築の楽しさ2014」展
会期:前期 2014/11/06~12/26 後期 2015/01/16~02/21
会場:AGC studio 1階エントランス ギャラリー

地球の音楽展
会期:2014/11/21~2015/03/01
会場:無印良品有楽町2F ATELIER MUJI

2014/11/26(水)(五十嵐太郎)

博多駅周辺

JR博多シティ、キャナルシティ博多ほか[福岡県]

博多駅周辺を歩く。震災後では初めてである。今風の再開発のJR博多シティはデカイが、そのスケール感にみあう空間のスペクタクルがもっと欲しい。屋上からの展望が気持ちがいい。キャナルシティ博多も、久しぶりに訪問した。ダイナミックに展開する迷宮的な空間の感覚が楽しい。これが登場した後、日本の商業系再開発は、猫も杓子もジャーディになったが、空間の体験としては、結局、これが一番良いのではないかと思う。

左:JR博多シティ 中央と右:キャナルシティ博多

記事左上:屋上から磯崎新の建築を見る

2014/11/25(火)(五十嵐太郎)