artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

ルツェルン・フェスティバル「アーク・ノヴァ」2014 in 仙台

会期:2014/11/01~2014/11/09

アーク・ノヴァ仙台会場[宮城県]

昨年松島で取材した磯崎新×カプーアの「アーク・ノヴァ」が、今年は仙台の勝山館隣で開催され、能舞台を鑑賞した。やはり、前は倉木麻衣が歌う舞台だったので、赤い心臓のような空間が鼓動を打つ感じとは、全然雰囲気が違う。空調が十分に効かないため、去年10月はまだ会場が暑かったが、11月になると、ちょうどいい。

2014/11/05(水)(五十嵐太郎)

特別展 ガウディ×井上雄彦 ─ シンクロする創造の源泉 ─

会期:2014/10/04~2014/11/05

金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA[石川県]

金沢21世紀美術館では、「特別展 ガウディ×井上雄彦 ─ シンクロする創造の源泉 ─」の巡回も開催中であり、ちょうど建築展がトリプルで重なっている希有な状態だった。その内容は思っていた以上に、漫画家の井上パートを控えめにしており、むしろアントニオ・ガウディの卒計から基本作、そしてサグラダ・ファミリア教会の建設の現状までを模型やドローイングなどで紹介する、入門編的な内容だった。

2014/11/02(日)(五十嵐太郎)

五十嵐太郎×山崎亮×小野田泰明 鼎談「3.11以後の建築」

会期:2014/11/02

金沢21世紀美術館[石川県]

「3.11以後の建築」展のトーク・イベントを行う。まずゲストキュレーターの五十嵐×山崎亨からは展覧会の意図と概要、続いて計画学の小野田泰明からは被災地の複雑な現状と展望について語る。3名とも、3.11の災害を過度な断絶と捉えず、2011年以前から地方で進行していた傾向の明快な可視化が起きたとみなす。トークに東北の被災地の復興計画に現場で関わる人間が参加したことで、今回の展示を補強する内容となった。

2014/11/02(日)(五十嵐太郎)

ジャパン・アーキテクツ 1945-2010

会期:2014/11/01~2015/03/15

金沢21世紀美術館[石川県]

「ジャパン・アーキテクツ1945─2010」は、金沢21世紀美術館の開館以来初の博物館型の展示であり、膨大な近現代建築の図面や模型を並べる。ポンピドゥー美術館のフレデリック・ミゲルーのキュレーションによって、時代の変化を色で示す。敗戦後の破壊「黒」から始まり、モダニズムの「灰」を経て、万博、メタボリズムと近代への疑義を提示するカラーとノン・カラーの部屋。そして最後は非物質的な空間となる「白」という流れだ。ミゲルーの講演会で示されたデータをみると、今回の展覧会は2010年までを扱うが、企画立案から実現までが長かったせいだろうが、当初、1945年から2005年までで時代を区切った企画だったことがうかがえる。

メタボリズムの部屋で説明するミゲルー

黒の部屋における鈴木了二のインスタレーション

2014/11/01(土)(五十嵐太郎)

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3.11以後の建築

会期:2014/11/01~2015/05/10

金沢21世紀美術館[石川県]

休日の金沢21世紀美術館を体験したが、その混みようは半端ない。もちろん、兼六園の斜め前という絶好のロケーションもあるが、そのポテンシャルを最大限以上に引き出したSANAAの開放的な空間の成果だろう。この同じ敷地に筆者が以前通っていた中学校が存在していたが、美術館に変えて正解だと思う。チケット売り場は長蛇の行列ができており、展示物の模型が破損しそうな勢いで、次々と人が入る。家族連れが少なくない。しかも、明らかに建築展を目的に訪れた人ではなく、金沢21世紀美術館に立ち寄ったついでに展覧会を見ている。パリのポンピドゥーやNYのMoMAも普段美術展を見ない人が入場するわけだが、日本でもそれが起きている。

トラフ建築設計事務所+石巻工房による展示風景。奥の壁は岡啓輔の蟻鱒鳶ル。


アーキエイドの展示風景

2014/11/01(土)(五十嵐太郎)