artscapeレビュー

建築に関するレビュー/プレビュー

加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2015

会期:2015/01/10~2015/01/18

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)[兵庫県]

画家の加川広重が東日本大震災の被災地を描いた巨大絵画を神戸で展示することにより、阪神・淡路大震災を経験した人々が当時を思い出し、同時に今困難な状況にある人たちと思いを共有しようとするプロジェクト。加川のほか、建築家・宮本佳明の《福島第一原発神社》の展示、写真家・山岸剛の個展をはじめとする写真展、コンサート、ダンス、パフォーマンス、トーク、ワークショップ、朗読、映画上映など多彩なイベントが行なわれた。筆者自身、まさかこれほど大規模なイベントだとは知らずに会場に赴き、その充実ぶりに驚かされた。会場のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)は、デザインを基軸にした市民の交流と実践と情報発信の場として2012年に開設された施設だが、こうしたプロジェクトの現場として機能しているならつくった甲斐があるというものだ。

2015/01/11(日)(小吹隆文)

HOUSE VISION 2015 SYMPOSIUM CO-DIVIDUAL 分かれてつながる/離れてあつまる

会期:2015/01/09~2015/01/11

POLYLOGUE[東京都]

銀座POLYLOGUEのHOUSE VISION 2015シンポジウムの会場へ。それほど広い会場ではなかったが、びっくりする程の大入り満員だった。建築家とメーカーのコラボレーションにより、さまざまな提案がプレゼンテーションされていた。ここで東日本大震災の後、企画に関わった展覧会を通じて導いた、関係性の建築というべき「リレーショナル・アーキテクチャー」の概念について30分のレクチャーを行う。

2015/01/09(金)(五十嵐太郎)

東京国立博物館 東洋館

[東京都]

久しぶりに谷口吉郎が設計した隣の東洋館(1968)に入る。螺旋状にフロアをつなぎながら、立体的に空間を構成する。こうしたスキップ・フロアや壁の素材は、リノベーションする前の国立近代美術館と似ている。しかし、美術館は力の痕跡でもあるわけで、もし日本が太平洋戦争に勝っていたら、アジアの美術を展示する東洋館は大英博物館やメトロポリタンのような超絶博物館になっていたのだろうか。

2015/01/09(金)(五十嵐太郎)

建築家 星裕之氏 レクチャー

会期:2015/01/06

東北大学青葉山キャンパス[宮城県]

東北大学にて、宇都宮の建築家、星裕之さんに自作についてしゃべってもらう。バブル崩壊後、ポストモダンを嫌い、ルイス・カーンのように光を扱う近藤春司の事務所でつとめた後、構造設計の仕事を経て、独立した経緯が語られる。得意とするローコスト住宅の設計では、廊下をなくしながら、床の段差をコントロールするコンパクトな計画、建築部位の分離表現、視線の回避と眺めの導入などが、共通した特徴になっている。

2015/01/06(火)(五十嵐太郎)

ユダヤ遺産博物館

[アメリカ合衆国ニューヨーク市]

続いて、摩天楼博物館に行こうとしたらお休みで、向かいにユダヤ遺産博物館(ケヴィン・ローチ、1997)を見つけて入る。911ミュージアムと同様、歴史と記録へのこだわりが感じられる施設だった。展示が終わって、上階から海を眺めると、窓から自由の女神とエリス島がよく見える。東欧からアメリカに多くのユダヤの民が移住したことを踏まえての立地だろうか。

2015/01/01(木)(五十嵐太郎)