artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
Mind the System, Find the Gap

会期:2012/06/02~2012/09/30
Z33[ベルギー ハッセルト]
ベルギーのハッセルトでは、Z33というアート・スペースの「Mind the System, Find the Gap」展のプレビュー・パーティへ。こちらはスキマをテーマに、美術や建築の作品をいろいろと紹介していた。建物の見学は日が暮れると基本的に終わるが、アートの鑑賞は夜になっても続く。世界を飛びまわり、各地のオープニングを訪れるキュレータの仕事は相当にタフだ。
2012/05/31(木)(五十嵐太郎)
マニフェスタ9「The deep of the Modern」

会期:2012/06/02~2012/09/30
Waterschei mine[ベルギー ゲンク]
ゲンクの旧工場に向かい、毎回開催される都市を変えるマニフェスタ9のプレス・プレレビューに出席した。「deep of the modern」と題して、近代化とからむ炭坑とアートをテーマに掲げる。明快なキュレーションによって、作品をフロアごとに分類し、目黒区美術館の「文化資源としての炭坑」展を超拡大したような内容だった。会場は分散させずひとつに集約し、それが炭坑の関連工場であることが展覧会の説得力を増している。
2012/05/31(木)(五十嵐太郎)
國府理 展「水中エンジン」
会期:2012/05/22~2012/06/03
アートスペース虹[京都府]
國府理の新作展。ギャラリーに入ると、鉄製の台の上に1立方メートルの立方体の水槽が置かれていて、自動車のエンジンがその水中で稼働していた。排出ガスは接続されたダクトホースから屋外に排出される仕組みになっているとのことだったが、それでも会場は臭気に包まれていて空気が悪い。水槽の中は波だち、耳を近づけるとエンジンの稼動音とは別の唸るような振動音も聞こえてくるから少し不気味だ。この作品はほかでもなく、原発事故に着想を得たものだという。原発、車、家電や身のまわりの製品、それにわれわれの身体まで。なににおいてもだが、機能のプロセスやその構造の問題は、それが“正常”に機能しているときにはいつも意識から消えてしまう。周囲にガスを排出しながら動き続けるエンジンの様子は、科学技術的なシステムというだけでなく、そのような機能と人間(の目的)という存在の脈絡についても思いを巡らせた。

展示風景
2012/05/31(木)(酒井千穂)
中埜幹夫 展
会期:2012/05/28~2012/06/02
Oギャラリーeyes[大阪府]
赤紫がかった茶色の色面の上に白いインクで描かれた泡か空気の微粒子のようなイメージの無数の細かい文様と、画面の上から下に流れる金色の帯。ギャラリーの三つの壁面に展示されていた一連の抽象絵画は、離れて見たときにはじめて、森の風景のイメージがあぶり出しのように浮かんできた。空間的な奥行きと広がりを感じるのと同時に、それぞれの画面の一部を覆うような無数の白い文様が時間軸となって、物語性を帯びたパノラマに見えてくるから不思議。全体に静謐な趣きがあるのだが、見る距離によって静止性と運動性の両方を感じることができる魅力的な作品だった。
展覧会「中埜幹夫」2012 Oギャラリーeyes
2012/05/31(木)(酒井千穂)
第5回東山魁夷記念 日経日本画大賞展

会期:2012/05/19~2012/06/03
上野の森美術館[東京都]
日経新聞社が主催する日本画のコンクール展。入選した30名による作品が展示された。大賞に選出された鴻池朋子や特別賞の三瀬夏之介はともかく、淺井裕介の泥絵まで「日本画」とされると、どうにもこうにも違和感を拭えない。「日本画」の妥当性についてはかねてから議論されてきたが、今日の「日本画」は画題や画材の束縛から完全に解放されたということなのだろうか。そうであれば、油彩であろうとアクリル画であろうと「日本画」になりそうなものだが、そうなっていないということは、やはりどこかで「日本画」の領土を護るための選別が依然としてなされているということなのだろう。その、きわめて人為的な線引きが、いつ、どこで、誰によってなされてきたのか。「日本画」の制度論的研究の今日的な課題はこの点にあるように思う。
2012/05/30(水)(福住廉)


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