artscapeレビュー

美術に関するレビュー/プレビュー

プレビュー:日本ベルギー版画国際交流展

会期:2011/11/18~2011/12/11

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA[京都府]

今年の春に開催された「ベルギー&日本 当世版画交流展 Part 1」の続編となる展覧会。「Part 1」は小品を中心にしたものであったが、今回が本展で、ベルギー作家、関西在住の作家など総勢51名の参加作家がそれぞれ最新作を展示する。各々の技法、表現の趣きなど、さまざまな角度から版画表現を楽しむことができそうだ。18日には京都市立芸術大学でイングリッド・ルドンによる講演会も開催される。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

プレビュー:しまだそう「B面の界隈」

会期:2011/11/23~2011/12/05

spectrum gallery[大阪府]

建物などの幾何学的な背景や効果線といった、マンガで用いられるような手法も取り入れているためか、しまだそうの荒唐無稽な作品世界は躍動感とスピード感も印象に残る。今回は、大阪にある明治時代の長屋を改装した複合ショップの二階にあるギャラリーでの展示。いろんなものがごちゃまぜに描かれる作品もさることながら、展示空間自体も個性的で面白そう。どんな展示になるのか見てみたい。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

プレビュー:ひらいゆう「境界──マダムアクション」

会期:2011/11/11~2011/12/12

Tokio OUT of Place[東京都]

フランス在住の写真家ひらいゆうが15年ぶりに東京で個展を開催。今展では、筋肉隆々の男児向け人形玩具 “アクションマン” を女装させ、生きているかのように写真で表現したシリーズ「マダムアクション」と、風景写真シリーズ「BLUEs」とを組み合わせ、虚構と現実のはざまを浮遊しさまよう作家の心象世界を表現する。今年7月に京都で開催した個展での発表作品に加え、未発表作品、新作も展示される予定。女装させた“アクションマン”はすこし不気味で滑稽なのだが、どこかもの悲しく妖し気な美しさにも引きつけられる写真の連作。新作も気になる。

2011/11/15(火)(酒井千穂)

ぬぐ絵画──日本のヌード 1880-1945

会期:2011/11/15~2012/01/15

東京国立近代美術館[東京都]

裸体画ばかりを集めた展示。しかもその大半が女性ヌードというからソソられるが、そこに明治から第2次大戦前までの「日本・近代」という限定がつくことで、また別の興味がわく(興味をそがれる人もいるだろう)。どんな興味かというと、西欧との裸体観の違いについてであり、ワイセツ論争をはじめとする社会との軋轢に関してであり、また、時代による裸体描写の変化についてである。同展は黒田清輝、萬鉄五郎、熊谷守一らの裸体画を軸に、こうした興味に応えてくれる。とくに黒田に関しては《裸体婦人像》《智・感・情》《野辺》といった「日本のヌード」を語るうえで欠かせない作品が出ていて、満足度は高い。しかし萬の《裸体美人》以降は再現性より表現性に傾いていき、最後に熊谷の暗くて曖昧なヌードでフェイドアウトしてしまうのは、まあ時代がそうだったから仕方がないが、なにかハシゴをはずされた感じがしないでもない。この3人以外でも、おそらく日本人女性では初のラグーサ玉による裸体画や、五姓田義松のシュールな銭湯画、甲斐庄楠音の豊満すぎる日本画ヌードなど見どころは少なくない。企画したのは蔵屋美香氏。男視線のヌード観ではなく、かといって女性研究者にありがちなフェミニズムに走ることもなく、また学術的ドツボに陥る危険も回避し、質的にも量的にもきわめてバランスのとれた展示になっていた。あえていえば、バランスがよすぎて「ぬぐ」というタイトルから予感される逸脱感がなかったことがものたりないというか。

2011/11/14(月)(村田真)

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池内晶子×鵜飼美紀

会期:2011/11/03~2011/11/27

ギャラリー21yo-j[東京都]

ギャラリーの目の高さに数千本の青い糸が張られ、一部は床すれすれに垂れている。その床には茶色いラテックスが固まっている。池内と鵜飼のコラボレーションだが、作品は糸とラテックス、青と茶色、空と地、線と面、動と静、軽と重……と非常に対照的な両者。しかも糸に目を凝らせばラテックスが邪魔をし、ラテックスを見ようとすれば糸が目障りになる。絶妙な組み合わせというほかない。見る側としては仲よしのコラボレーションより、このように静かに火花を散らすバトルが見たい。もちろん作品同士の話であって、作者同士がケンカしちゃダメよ。

2011/11/13(日)(村田真)