artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
川端嘉人 展

会期:2010/07/17~2010/08/07
CAS[大阪府]
展示室のドアを開けたとたん、頭のなかに「?」が点灯する。何もないのだ。しかし、いつもとは雰囲気が違う。改めて凝視すると、コンクリートブロックの壁が画廊壁面に沿うように作られていることが分かった。壁だと思い込んでいたものが美術作品だと了解した途端、急にミニマリズム彫刻に見えてくる。われながら現金なものだ。ざらりとした素材の質感やブロックのグリッドの連続が美しい。でも、休廊と勘違いして帰ってしまった観客も数名いたのだとか。その気持ちも分からないではない。
2010/07/23(金)(小吹隆文)
淺井裕介「植物と宴」

会期:2010/07/23~2010/09/04
アラタニウラノ[東京都]
近ごろ急速に引っぱりダコ化してる淺井の個展。彼の絵の本領は、マスキングテープを壁に貼った上にドローイングしていく「マスキングプラント」と、壁に現地調達した泥などで絵を描いていく「泥絵」の2種だが、どちらも壁画で、おまけにいずれ消滅するから売りものにならない。画商泣かせの画家だ。もちろん絵具を使って単体の絵も描くが、ほっとくとすぐ壁にはみ出していく。それが彼の本領だから、だれも止めてはならない。
2010/07/23(金)(村田真)
MAMプロジェクト012 トロマラマ

会期:2010/07/24~2010/11/07
森美術館ギャラリー1[東京都]
インドネシア発の世にも珍しい版画アニメ。そのために用いた400枚以上の版木や、ボタンとビーズによるコマ撮りアニメも公開。アニメの世界的拡がりには注目すべきものがある。
2010/07/23(金)(村田真)
ネイチャー・センス展

会期:2010/07/24~2010/11/07
森美術館[東京都]
吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆の3人展。どでかい美術館を3人で埋めるのだから、みんな最大級の仕事をしている。大量の白い羽毛を風で吹き上げる吉岡も、3面スクリーンの映像と血の池を出品した篠田も力作だが、もっとも納得したのは栗林の作品。森から型取りした広大な紙に穴を開け、土中から首を出してながめる趣向のインスタレーションや、島の海中部分を彫刻した作品など、見たいけど見えないものを可視化してくれた。
2010/07/23(金)(村田真)
まつながえみ展

会期:2010/07/12~2010/07/24
ギャルリーパリ[神奈川県]
ぬいぐるみのような動物や花などのシルエットをパステルカラーで描いた絵。作品より作者本人のほうがキャラ立ちしているのが惜しい。
2010/07/23(金)(村田真)


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