artscapeレビュー

美術に関するレビュー/プレビュー

佐藤時啓

会期:2009/11/27~2009/12/22

ツァイト・フォト・サロン[東京都]

森のなかの1本の木のまわりに白い光がいくつも浮かび上がる写真。まるで木霊を写したかのようだが、もちろん手鏡で日光を反射させたもの。昔の作品かと思ったら、最近、白神山地と八甲田山で撮影した新作らしい。なんか懐かしい。

2009/12/22(火)(村田真)

繁田真樹子 キモノ展

会期:2009/12/10~2009/12/22

大阪成蹊大学芸術学部ギャラリーspaceB[大阪府]

作品は何度か見たことがあるが、個展は初めてかもしれない。日常的な風景をモチーフにした着物も美しいが、海苔巻き、寿司などのユーモラスな柄にも惹き付けられる。描かれた光景が立体的に浮かび上がってくるようなロウケツの豊かな表情と色とりどりの色彩がまるで絵画のよう。自由な想像力という言葉が頭をよぎる会場だった。

2009/12/21(月)(酒井千穂)

絵画の庭 ゼロ年代日本の地平から

会期:2010/01/16~2010/04/04

国立国際美術館[大阪府]

2000年以降に登場した若手世代を中心に28作家をセレクトして、現代日本の絵画シーンを展観する意欲的な企画展。先行世代としてO JUN、小林孝亘、奈良美智らが入っているが、彼ら以外の多くは近年頭角を現わしてきた20代~30代前半が占める。なかには加藤泉やタカノ綾、町田久美など既に著名な作家も入っているが、個人的には栗田咲子、はまぐちさくらこの関西勢2人がどう評価されるかに注目している。気合の入った展覧会になりそうなので、正月ボケの矯正にも最適だ。

2009/12/20(日)(小吹隆文)

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NO MAN'S LAND──創造と破壊

会期:2009/11/26~2010/01/31

フランス大使館[東京都]

解体前のフランス大使館旧庁舎を舞台にした展覧会。期待したほどではなかったなあ。作家の選択を誤った気がする。この時期は別館で東京藝大の展示もやっていて、そっちのほうがおもしろかった。とくに、カメラや双眼鏡にセンサーを組み合わせ、人が近づくと動いたり光ったりする装置を廊下や階段に設置した笹川治子の《セキュリティーシステム》がすばかしい(すばらしく、ばかばかしい)。村田真賞だ。

2009/12/19(土)(村田真)

MAMプロジェクト010 テレルヴォ・カルレイネン+オリヴァー・コフタ=カルレイネン

会期:2009/11/28~2010/02/28

森美術館ギャラリー1[東京都]

世界各地で市民の不平不満を聞いて合唱曲にし、市民に歌ってもらうというプロジェクト「不平の合唱団」の映像。おもしろいけど、こういうのはこういう場所で見せるより、テレビ(公共放送)で見てみたいなあ。

2009/12/19(土)(村田真)