artscapeレビュー
美術に関するレビュー/プレビュー
高橋涼子 個展 HAIR(=)COMPLEX

会期:2009/09/02~2009/09/26
studio J[大阪府]
毛髪、特に女性の髪は、女性性や情念のメタファーとして扱われることがあるため、男性としては若干の恐怖を覚えるモチーフである。また、お菊人形などホラーの題材としても定番である。高橋は人毛を素材にした立体作品を作り続けているが、女の情念やホラーをテーマにしているわけではない。彼女にとって髪とは、容姿を飾ることでコンプレックスを矯正する道具であり、美への欲望の表われなのである。本展の出品作では、ワンピースの内部に毛髪の玉が詰まった作品や、コルセットの紐が毛髪に差し替えられた作品がその典型であろう。男性の私は、髪とコンプレックスといえばハゲしか思いつかない。彼女の作品から感じたのは、コンプレックスよりもエゴイズムである。欲望の源であるエゴイズムの象徴としての毛髪。作者の意図からは外れてしまうが、個人の勝手な解釈としてはその方が座りが良かった。
2009/09/04(金)(小吹隆文)
東京フォト2009

会期:2009/09/04~2009/09/06
ベルサール六本木[東京都]
ありそうでなかった写真のアートフェア。だからといって珍しさやありがたみが感じられるわけでもなく、むしろ既視感すら漂うのはなぜだろう。それは写真だからですねやっぱり。
2009/09/03(木)(村田真)
第94回二科展

会期:2009/09/02~2009/09/14
国立新美術館[東京都]
似たり寄ったりの作品が多い日展に比べて、二科展のほうが抽象ありヌードありコラージュありとバラエティに富んでいる。質的にもバラエティに富んでるが。しかし、織田廣喜が何人もいるのには驚いた。ここではまだ徒弟制が続いていて、モダニズムが浸透してないのかもしれない。
2009/09/03(木)(村田真)
ウィリアム・ケントリッジ──歩きながら歴史を考える:そして歴史は動き始めた……

会期:2009/09/04~2009/10/18
京都国立近代美術館[京都府]
展覧会資料を読むと、「脱西欧中心主義」とか「ポスト・コロニアル批評」などの文言が見受けられたが、それらについては不勉強なので、予断を排して作品と対峙することにした。初期の代表作「プロジェクションのための9つのドローイング(ソーホー・エクスタインの連作)」は、ゴリゴリした質感の重厚なドローイングを、描いてはコマ撮りする作業を繰り返したアニメ作品。アニメといっても記号性の強い日本のアニメとは質感が異なり、文字通り絵が動いている感覚だ。本展では全9作品を5つのスクリーンで順次上映し、観客は専用のレシーバーとヘッドフォンで自由に音声を選んで見られる方式が採られた。この優れた方法が映像展で採られたことは特記しておきたい。その後の《ジョルジュ・メリエスに捧げる7つの断片》や最新作《俺は俺ではない、あの馬も俺のではない》では、ドローイングと実写、影絵などが自由自在に用いられ、イマジネーションとファンタジーの飛躍が一層拡張されている。彼の作品をまとめてみたのは初めてだが、これほど見応えがあるとは正直思っていなかった。まさに、一年に数度あるかないかの嬉しい驚きだ。
2009/09/03(木)(小吹隆文)
アキ・ルミ新作展「庭は燃えている」

会期:2009/09/01~2009/09/29
ツァイト・フォト・サロン[東京都]
何十枚もの写真をつなぎ合わせたうえに、手描きの図像を重ねたもの。余白がないほど空間をびっしりと埋めて、まるで熱帯密林みたい。一種の空間恐怖症だろうか。
2009/09/01(火)(村田真)


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