2018年12月01日号
次回12月17日更新予定

artscapeレビュー

2016年02月15日号のレビュー/プレビュー

チャイナタウン、ジョン・ハンコック・センター

[アメリカ、シカゴ]

シカゴのチャイナタウンへ。それほど大きくはない。屋上に二つのパゴダが載ったレンガとテラコッタの1927年の建築がランドマークである。日没直前から夜景が見え始めるタイミングで、ジョン・ハンコック・タワーの展望台へ。今回、曇りがちで湖に落ちる高層ビル群の影は見ることができなかった。ブルーシカゴでブルースを聴く。

写真:上=チャイナタウン、下=ジョン・ハンコック・タワー

2015/12/31(木)(五十嵐太郎)

サンティアゴ・カラトラヴァ《ミルウォーキー美術館》

[アメリカ、シカゴ]

映画『アンタッチャブル』の階段で有名なシカゴのユニオン駅から列車にのって、初のミルウォーキーへ。カラトラヴァによる《ミルウォーキー美術館》の増築部分は、定時に屋根が動く。構造合理主義とは言えない、過剰な表現・スペックと飛び道具的なデザインだが、彼の本領を発揮している。日本だと怒られそうだが、都市の新しいランドマークとなり、訪れている人たちの楽しそうな表情を見ていると、これぞアイコン建築だ。美術館の本館と水辺を眺めるカラトラヴァ・カフェの食事がとても美味しい。シカゴ美術館のテルツォ・ピアノ(三階の意味をかける)のレストランよりも全然。いずれも建築家の名前が入っている。ミルウォーキー美術館は、やはりアメリカの現代美術が強い。ラリー・サルタンの写真・企画展がよかった。建築・デザイン部門の展示もある。元旦で無料開放となり、普段来ない人も大量に訪れ、子どもは作品を触りまくっている。

写真:上=ユニオン駅、中・下=《ミルウォーキー美術館》

2016/01/01(金)(五十嵐太郎)

フランク・ロイド・ライトのスタジオ見学ツアー

[アメリカ、シカゴ]

シカゴ郊外のオークパークは、19世紀末に新興住宅地となり、当初はクイーン・アン様式が主流だったが、ライトが住宅とスタジオを構えてから、次々と彼の手がけた建築が周囲に増殖した。北海道の佐呂間の街を訪れたとき、五十嵐淳さんが設計した住宅があちこちに増えていたが、ここも将来オークパークみたいになるかもしれない。ライトの住宅とスタジオの見学ツアーに参加した。自邸ならではの実験性、増改築が生み出す複雑性、日本の影響など、とても見所が多い建築である。細かいこだわりは、藤井厚二の聴竹居なども想起させる。でも、施主の妻が気に入るような場も多く、なるほど若手ながら、これで周囲の仕事を獲得したのかと納得させられた。

2016/01/02(土)(五十嵐太郎)

Beautiful: The Carole King Musical

会期:2015/12/01~2016/02/21

ORIENTAL THIEATER[アメリカ、シカゴ]

オリエンタルシアターのミュージカル「Beautiful」へ。劇場の名前のとおり、東洋趣味の装飾だが、すごいゴテゴテで驚く。キャロル・キングの半生を舞台化した作品であり、物語の起伏は弱いが、作曲家として活躍した初期からシンガーソングライターになるまで、数々の名曲が登場し、それだけで盛り上がる。

2016/01/02(土)(五十嵐太郎)

オデッセイ、ザ・ウォーク

行き帰りの飛行機で映画を見る。『オデッセイ』は火星に取り残されたマット・デイモンがサバイバルするSFだ。同じ俳優が惑星でひとり過ごすというプロットは、『インターステラー』とも一部重なっているのが笑える。後半は宇宙スケールの展開だが、農業と化学の智恵で生き抜く前半が面白い。なお、映画産業の新しい、そして大きなマーケットとしての中国の存在感が、この映画の終盤でもはっきりと現われていた。『ザ・ウォーク』は世界貿易センタービルの双塔を綱渡りで歩いた男の実話である。以前同じテーマのドキュメンタリー映画はあったが、今回はCGならではの体感映像や消えた建物の再現によって、われわれに奇跡の瞬間を臨場感たっぷりに追体験させる。結果を知っていても、いかに計画し、準備するかという銀行強盗映画的な面白さがあり、WTCが愛おしく思える建築映画でもある。また綱渡りが最高のアートとしての身体表現だと教えてくれる。

2016/01/03(日)(五十嵐太郎)

2016年02月15日号の
artscapeレビュー

文字の大きさ