キュレーターズノート
バックナンバー
第4回恵比寿映像祭「映像のフィジカル」
[2012年03月01日号(能勢陽子)]
今年で4回目を迎える恵比寿映像祭のテーマは、「映像のフィジカル」である。フィジカルには、「物質的」と「身体的」の両方の意味があるが、そこに出品されている作品は、映像のリアルとはなにかというこれまで何度も繰り返されてきた問いを、物質や身体と...
大震災から一年──孤軍奮闘する小さな美術館
[2012年03月01日号(伊藤匡)]
東日本大震災から一年になる。被災地は、復興に向けて歩み始めた地域もあれば、いまも避難生活が続く地域、さらには避難すべきか留まるか悩んでいる地域など、現況は区々だ。美術館や博物館の状況も同様だ。福島県立美術館やいわき市立美術館は、応急処置を...
糸の先へ/魅せられて、インド。/菊畑茂久馬氏「第53回毎日芸術賞」受賞ほか
[2012年02月15日号(山口洋三)]
どんな展覧会を「良い」というのだろうか。たんに優れた名品が出品されていることだけではそうは思えない。企画者がよく調査をしているとか、それも大事だけどそれだけではない。私の基準はなにかとしばし考えてみたところ、それは、それは自分の価値観とか...
「札幌ビエンナーレ」に向けて
InterLabの機能と存在から見たYCAM
[2012年02月01日号(阿部一直)]
メディアテクノロジーを使用したアートは、その時代の革新技術やフォーマットをほぼ全面的に肯定して取り込んでいくことが常といえる。しかしそれによって、技術が到達する限界やプラットフォームの縛り、あるいはトレンドに当然左右されていくという事態も...
アートゾーン藁工倉庫と藁工ミュージアム
[2012年02月01日号(川浪千鶴)]
高知市の中心部を流れる江ノ口川のほとり、一文橋をはさんだ東西のエリアに、土佐漆喰★1の白壁と黒い水切り瓦★2のコントラスト、二重丸に「ワラ」とカタカナ文字が入ったマークが特徴的な「藁工倉庫」群が建っている。
山田健二「別府地熱学消化器美術館」/ベップ・アート・マンス 2011
[2012年01月15日号(坂本顕子)]
昨年末は別府に三度も通ってしまった。もし、別府へ行くことがあれば、博多と別府を結ぶJR九州のソニックという特急列車を使うことをお勧めする。北九州の工場群を抜けると、田園風景のなかの小さな美しい川をいくつも越える。そして、再び海が見える頃に...
Port B《Referendum──国民投票プロジェクト》/未来の芽 里親プロジェクト
[2012年01月15日号(住友文彦)]
すでに多くの人が発言していることだが、震災以降、言葉やそれを発している身体に対して意識的になることが増しているように感じられる。以前からそうした意識が強かった人にとっては、なにをいまさらと思うような、表現について考えるうえでは基本的なこと...
今和次郎 採集講義、青森県立美術館コレクション展
[2012年01月15日号(工藤健志)]
2006年7月13日にオープンした青森県立美術館は、2011年に開館5周年の節目を迎えた。が、くだんの大震災により、5周年記念展の第1弾として1月22日からはじまった「芸術の青森」展は会期半ばで打ち切り、続く4月23日から予定していた第2...