artscapeレビュー

新開地ミュージックストリート関連企画 実験工房 IN 新開地

2014年06月01日号

会期:2014/05/11

神戸アートビレッジセンター[兵庫県]

1957年に開催された関西初の電子音楽コンサートの再現と、実験工房(1950年代に活動した前衛芸術家グループ)の作曲家たちのピアノコンサート、そしてアフタートークからなるこのイベント。電子音楽コンサートでは檜垣智也がアクースモニウムという装置を用いて、ピエール・シェフェール、武満徹、諸井誠&黛敏郎など8作曲家の9曲を、ピアノコンサートでは河合拓始により、武満徹、湯浅譲二、福島和夫など6作曲家の9曲を演奏した。また、アフタートークは、川崎弘二(電子音楽研究家)、能美亮士(音楽エンジニア)に檜垣、河合の4人で進められた。筆者は、これらの楽曲のうち幾つかはレコードやCDで聞き覚えがあったが、生で聞くのは初めてだった。特に電子音楽はすべてが初体験で、追体験とはいえ非常に貴重な機会だった。しかも、これだけ充実した内容に関わらず、当イベントは入場無料。主催者の英断に心から感謝する。

2014/05/11(日)(小吹隆文)

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